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認知症

これで安心!認知症研修【新人スタッフにもわかる基礎中の基礎】

これで安心!認知症研修【新人スタッフにもわかる基礎中の基礎】

こんにちは、すきマッチです。

 

今回は以前使用した資料を基に、認知症の研修についての記事を書きたいと思います。

 

研修目標としては

研修目標

認知症を今より少しでも理解する

認知症の方に対して自分が何ができるかを考える

です。

 

レベルとしては新人職員に合わせていますので、かなりソフトに仕上げています。

 

研修にお困りの方、認知症を学び始めた方におすすめの内容となっています。

 

普段の業務でも意識できるポイントなどもありますので、是非一読ください。

 

 

認知症研修の目標

認知症を今より少しでも理解する

認知症の方に対して自分が何をできるかを考える、実践する

 

目標を最初に行っておくことで、講師の意図を汲み取りながら聞いてもらうことができます。

 

最低限の知識と知っておかなければならない知識のみ説明してあります。

 

難しい内容はほとんど書いてありません。

 

研修を通して、今日から自分にできることを意識してもらうことで業務に活かすイメージをしてもらいます。

 

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認知症とは

 

厚生労働省のHPより、

認知症とは

「生後一旦正常に発達した種々(しゅじゅ)の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」

 

要は、生まれてから獲得してきた日常生活を営むための能力を、だんだん忘れたりできなくなって一人で日常生活を営めない状態のことを言います。

 

認知症は病名ではない

認知症は、病名ではなく脳の疾患や損傷により出現する症状を総称する言葉です。

 

原因となる疾患により出現する症状も変わることが特徴です。

 

代表的なものは、「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症(ピック病)」の4つです。

 

症状は様々で、代表的な物忘れや徘徊、暴言暴力など人により全く違う症状が出現するところが認知症の難しいところです。

 

症状には、脳の損傷が直接影響を与えることで出現する「中核症状」と、中核症状が原因で出現する「BPSD(周辺症状・行動心理症状)」があります。

 

認知症を理解することで何が出来るのか

認知症をよく理解し、本人主体の介護を行うことで、できる限り認知症の進行を穏やかにし、BPSDの出現を予防できます。

 

BPSDとは行動・心理症状や周辺症状と言われる認知症の問題行動と言われる行動です。

 

わたしはこの問題行動という言葉は、介護職目線であり好きではありません。認知症の方本人は全く問題と思っていないからです。

 

帰宅願望も徘徊も介護拒否もすべてその人なりの理由があっての行動です。

 

先ほども言いましたが、あくまで「本人主体」が原則です。

 

施設側の都合や介護者側の都合もありますが、そんなことは認知症の方には知ったこっちゃありません。

 

認知症を理解するとは

認知症を理解するとは、症状や特徴を理解することも当然大事になりますが、もっと大事なことは自分にその症状、特に中核症状が出た場合にどう感じるかを想像することです。

 

それを想像するだけで、認知症の方が何を求めているか、何を知ってほしいか少しわかると思います。

 

何を知るべきなのか、私たちはご利用者の何を知っていてケアをしているのか。考えてみてください。

 

認知症の理解とは、座学だけでは到底不可能です。

 

それは、その人の人となりを理解することが必要になるからです。

 

認知症の方が長い時間をかけて培ってきた、人生や価値観などを理解しなければ適切なケアはできないのです。

 

しかし、それらすべてを理解することなんてできません。ですので、理解しようとする姿勢が大切になります。

 

ご利用者が言ったことや何かあったことを共有し、ケアに活かす。

 

私たちも何気に言ったことを覚えていてもらえたらうれしいですよね。

 

認知症とは忘れてしまう病気である

記憶は水、脳の容量がコップとイメージすればわかりやすいかもしれません。

 

人の成長と共にコップは大きくなり、いろいろな思い出や知識を脳の中に記憶していきます。

 

しかし、認知症になるとコップの成長は止まり、新しい水(記億)を留めておくことが難しくなります。

 

さらに、コップは上から崩壊が始まるので、新しい事からどんどん忘れていきます。

 

認知症の方が昔のことを覚えている、というのは下の水(記憶)がこぼれるのが最後だからです。

 

線の生活、点の生活

次は生活の流れをイメージしてみましょう。

 

私たちは流れの中で生活を行っています。

 

今何をしていて次に何をするか、今行っていることが次の行動のためであることを理解して生活を送っています。

 

例えば、今からお風呂に入るので、トイレをすませて、服を脱ぎ、お風呂に入ります。

 

しかし、認知症の方はとぎれとぎれになって「点の生活」になってしまいます。ですので、今何をしているかは理解ができるが、なぜ今この行動をしているか、流れや繋がりが理解できません。

 

例えば、お風呂に入ることは理解できるが、どうやって入るのかや、なぜはいるのか、入るには何をしなければならないのかがわからない。という状態です。

 

あってはならないことですが、ご利用者はきつい言葉で介助を受けていることは理解できるが、その原因が自分の「問題行動」でスタッフをイラつかせたからということが分からない。

 

他にも不当な扱いを受けていることは理解できるが、どうしてこんな扱いを受けているかがわからない。ということも起こっています。

 

あえて問題行動と言わせてもらいました。

 

介護者側にも「問題行動」があるからです。

 

生活の流れのわからないご利用者に、声掛け・説明を行わずに、介助を行っていることが問題行動であり、認知症の方には何を言っても理解できないであろうという思いが問題行動であるからです。

 

その介護者の問題行動がご利用者の介護拒否という問題行動を引き起こす場合もありえます。

 

介護拒否が起こる原因のひとつに説明不足があげられます。

 

重度の認知症の方でもこちらの工夫で、話していることを伝えることができます。

 

伝える工夫をせずに黙ってケアに入ることで、介護拒否というBPSDを自ら出現させて「問題行動」と言っている。

 

ひどい場合、暴言や暴力に繋がりご利用者に問題があるとして薬の調整や問題のあるご利用者として認識されてしまいます。

 

中核症状と周辺症状の関係

中核症状は代表的に7つがあげられます。

 

先にも述べましたが、認知症は疾患等により脳に障害がおきて、機能が失われることで出現する症状の総称です。

 

その中で、脳の損傷した部分の担っていた役割が失われることで起こる症状が「中核症状」です。

 

脳細胞自体がダメージを受けているので、すべての人に出現する理由でもあります。

 

記憶障害

短期記憶→長期記憶が失われていく

 

見当識障害

自分の置かれている状況を理解する能力

日時→場所→人物の順番でわからなくなる

 

理解・判断力の低下

物事の理解に時間が掛かるようになる、1度に複数の事を言われる、いつもと違うことへの対応が難しくなる

認知症の方には簡単な表現で物事を伝える、と言われる理由

 

実行機能障害

物事を計画的に実行することが難しくなる

点の生活になってしまう理由

 

言語障害(失語など)

しゃべれない(かけない)けど理解はできる、しゃべれるけど理解できない。大きく分けて2種類の障害がある

 

失行

身体的に問題ないが動作が行えなくなる

はしの使い方がわからない、手は洗えるが「手を洗う」という言葉とつながらない

 

失認

身体に問題がない状態でも、五感による認識を正常に把握することができない

触られてもどこを触られているかわからない、目で見ても認識できないが触ったり音を聞いたて認識ができるなど。

身体の半分の空間が認識できない半側空間無視も失認のひとつ。ご飯をきれいに半分残したり、無視側を壁やドアにぶつけるといったことが起こります。

 

一方で中核症状によって引き起こされる二次的な症状をBPSDといいます。

ここには認知症の方の性格や周りの環境、ケア、ケアをする介護者の状態など様々な要因が絡み合ってきます。

 

不安、抑うつ

徘徊

ろう便

ものとられ妄想

せん妄

幻覚

暴力、暴言

介護拒否

失禁

睡眠障害(不眠、昼夜逆転など)

帰宅願望

異色

など

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BPSDをケアで抑え込むには…

例えば、記憶障害が起きたとしてあなたはどんな精神状態になりますか?どんな行動をとりますか?

 

まず、予定や約束を忘れてしまうことをイメージしてください。

 

指摘されて気付くことがほとんどです。

 

指摘されたら不安ですよね。

 

次は忘れないようにメモにしたり、ソワソワしたり、何度も予定の相手に確認をしたり…ご利用者様の行動と似ている部分もあるかもしれません。

 

その行動があなたの記憶障害に対するBPSDの一つです。

 

こんなときにどういった対応をして欲しいか。どうしてもらうと不安な気持ちや精神状態が落ち着くでしょうか。

 

その答えが認知症ケアの答えのひとつです。

 

あなたが認知症になり、記憶障害の症状が出た場合に今イメージした対応をしてもらうとBPSDの出現が抑え込めるのです。

 

しかし、正解はご利用者の数だけあります。

 

複数の中核症状が出ている可能性もあります。私

 

たちのイメージでは追い付かない状態にご利用者が置かれている状況も考えられます。

 

とにかく、認知症ケアは複雑で難しく、正解まで行きつくことが難しいのです。

 

介護者として認知症の方を理解するために

①中核症状を理解する→

②ご利用者に出現している中核症状を自分事とイメージして、精神状態と行動をイメージする→

③ご利用者の性格や価値観、人生に当てはめてみる→

④ケアに取り入れる→

⑤振り返り→

③~⑤の繰り返し

 

認知症の方を理解するポイントとして、その方のことを知ることはもちろんですが、

 

その方に起きていることを自分事として考えることでかなり見え方が変わります。

 

まとめ

 

今回は深く触れませんでしたが、認知症の原因疾患を知ることも必要になります。

 

出現しやすい中核症状や特徴がそれぞれにあるからです。

 

理解するために勉強すべきことはたくさんあります。

 

認知症に限らず、知識はケアの選択肢を拡げます。

 

人から言われたことや誰かが言ったことをうのみにしてケアをしていても自分自身の成長はありません。

 

人の言うことも参考にしながら、自分も正しい知識つけていく。

 

さらにつけた知識を現場で確認をすることが重要です。

 

最初に話した、「認知症を理解すると何ができるのか」

 

認知症をよく理解し、本人主体の介護を行うことで、できる限り認知症の進行を穏やかにし、BPSDの出現を予防できる理由、を理解していただけたでしょうか

 

一緒に認知症ケアのレベルを上げてご利用者に快適なデイでの過ごし方を提供しませんか。

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