こんにちは、すきマッチです。
コロナ禍により自宅から出ていない高齢者が増加し、皆さんの周りにも急激に身体が弱った方がいらっしゃるのではないでしょうか。
近頃私の周りにも、慌てて運動の必要性を感じ「最近身体が弱ってきています」「どこを鍛えたら良いですか?」と聞かれることが多くなってきた印象があります。
それに対し私は「太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えましょう」とお伝えすることが多いです。
この大腿四頭筋はとても大事な筋肉です。
この記事では大腿四頭筋の特徴とトレーニング方法を具体的にお伝えします。
高齢者と関わる仕事をされている方、もしくはご家族に高齢者がおられる方には大変お役立てできる情報ではないかと思っています。
目次
大腿四頭筋の特徴
まずは特徴からお伝えします。
大腿四頭筋とは太ももの前に位置する筋肉です。
図で見るとこんな感じです。
実は大腿四頭筋は1つの筋肉の名前ではありません。
大腿四頭筋は、大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋に分かれます。
ふとももの部分を「大腿」と呼び、頭が四つあることから大腿四頭筋と呼ぶわけです。
※中間広筋は深層にある為表示できていません
大腿四頭筋は約600もある人体の筋肉の中で一番大きな筋肉です。
大きい筋肉なので、しっかり鍛えることで全身の基礎代謝量をあげることができます。
また体温が高くなる、という効果もあります。
大きい筋肉ということは、その分日常生活動作で使うことが多いです。
歩く、立ち上がる、走る、しゃがむ、いろいろな動作に使用するので、しっかり鍛えることで日常生活での疲労感が減少することもできます。
逆に大きいだけに衰えるスピードも速いです。
冒頭で述べたように、動かない期間が続くとすぐに弱ってしまい、弱ると動くことが億劫になり更に動かなくなるという悪循環に陥る可能性を秘めている筋肉でもあります。
大腿四頭筋はあらゆる動作で働く
大腿四頭筋がどのような動作に必要で、もし弱るとどうなるか、などご説明していきます。
歩行
歩くところをイメージしてみてください。
歩行というのは片足づつ交互に体重をのせて前に進む動作ですよね。
大腿四頭筋は体重を乗せる瞬間(踵をつく⇒重心が足底に移動するとき)に働きます。
この瞬間に働かないとどうなるかというと、膝がカクッと曲がってしまいふらつきます。
いわゆる「膝折れ」です。
振り向くときや動き出すとき、何かを避けようとしたときにカクッと膝折れしてしまう光景はよくあります。
立ち上がり動作
大腿四頭筋は、立ち上がるときの膝を伸ばす動作に作用します。
高齢者は「一度座るとなかなか立ち上がるのが大変」という方が多いでのはないでしょうか。
これは大腿四頭筋の筋力低下が原因です。
他にも何かを引っ張らないと立てない、低い椅子からは立てないなどもこれが原因です。
また片方の大腿四頭筋が弱いと、強いほうに頼ろうとして身体を傾けながら立つような光景もみられます。
着座動作
立っている状態から椅子に座る時のスピード調整するのに働きます。
直立から座るときにドスンッ!と座ってしまう方も多く見受けられます。
これは自分の体重を大腿四頭筋でコントロールできていないからです。
正常な場合は膝を曲げた状態の時に筋肉が緊張しパワーを発揮しますが、衰えてくると膝を曲げた状態で維持することが困難になります。
階段の上り下り
上るときは一歩踏み込む力の際に働き、下りるときは体重を支える働きがあります。
弱ると手すりを使わなければ上り下りができない、または膝の上に手をつきながらでなければ上り下りできない、となってしまいます。
自転車を漕ぐ
高齢者の中も自転車を使う人はいらっしゃると思います。
大腿四頭筋は自転車のペダルを踏みこむときに力を発揮します。
大腿四頭筋が弱いとすぐに足がだるくなるか、体を揺らして体重を載せながらでなければこぐことができません。
膝の痛みの原因
大腿四頭筋は膝関節を守る働きをします。
例えば、バランスを崩し足でグッと踏ん張るとき大腿四頭筋に力を入れます。
しかし筋力が弱いと膝がぐらついてしまいます。ぐらつくことによって膝の半月板や軟骨、じん帯などに悪影響が生じます。
それが常に継続していくと、膝は悲鳴を上げ炎症を起こし、変形してしまう場合もあります。
大腿四頭筋のトレーニング方法
では次に大腿四頭筋のトレーニング方法についてお伝えします。
今回は安全で手軽に誰でもできる、椅子に座って鍛える方法と、
効果が出やすく、万人におススメな運動であるスクワットをご紹介します。
椅子を使った大腿四頭筋のトレーニング方法
1.椅子に座り手で大腿四頭筋を触ります。
大腿四頭筋がしっかり働いていることを確認しながら運動をしていきます。
2.姿勢を正し、片足を3秒かけながらまっすぐ前に伸ばしましょう。
息を吐きながら伸ばします。(1.2.3と数を数えながら膝を伸ばすと息も吐けるのでおススメです)
3.膝を伸ばして1秒キープします
4.足を戻すときも3秒かけながらゆっくり行いましょう。
これを交互に20回行いましょう。
簡単に20回できるようになった方は錘を足首に巻いて行うと良いかと思います。
「少しだるくなってきた」と感じられたらOKです。
「全然しんどくない」もしくは「きつ過ぎる」場合は効果が期待できなかったり、逆効果になる場合があるので気を付けてください。
スクワット
スクワットでは、おもに太ももの前側(大腿四頭筋)とお尻(大臀筋)、太ももの裏(ハムストリングス)、ふくらはぎ(ひふく筋・ヒラメ筋)、背中(脊柱起立筋)を鍛えることができます。
スクワットは正しいフォームで行わないと、腰痛や膝の痛みの原因を引き起こすほか、意図しない場所を鍛えてしまいがち。
フォームが崩れないことをを最優先にして実施してみてください。
ノーマルスクワット
1.足を腰幅に開き、つま先は膝と同じ向きにします。
2.肩甲骨を寄せて下げ、自然な背筋を保ちます。
猫背にならないよう気をつけましょう。
3.お尻を後ろへ突き出すように、膝からではなく股関節から折り曲げます。
膝を意識して折り曲げると、単なる屈伸運動になってしまいます。
気をつけないと膝を壊す原因にもなります。
4.膝がつま先よりも前に出ないよう注意します。
5.太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
椅子からの立ち上がり運動
初心者のうちは、椅子からの立ち上がり練習を反復しましょう。
スクワットと同じ筋肉に効果があります。
方法はスクワットと同じです。
ポイントは浅く座るようにし、また「ドシッ」とならないようゆっくり座ります。
そして、椅子からの膝がつま先より前に出ていないか、姿勢が猫背になって崩れていないか、鏡を見ながら確認しましょう。
ワイドスクワット
ワイドスクワットとは足幅を大きく広げ、つま先を外に向かせて行うスクワットです。
太ももの内側(内転筋)、股関節の奥(腸腰筋)、お尻上部(中殿筋)も鍛えられます。
通常のスクワットより安定しやすいので、ぐらつく人や骨盤が広い女性はワイドスタンススクワットのほうがやりやすいかもしれません。
1.足を腰幅より広く開き、つま先は膝と同じ向きにします。
2.肩甲骨を寄せて下げ、自然な背筋を保ちます。
3.お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げます。
4.膝がつま先よりも前に出ないよう注意します。
5.太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
ポイント
スクワットの回数は多くなくてもOKです。
まずは無理のない回数で行いましょう。
何よりも大事なのは続けてみることです。
継続できない回数を設定してしまうことは避けましょう。
参考程度に一般論を載せておきます。
一般の成人で筋肥大させる場合は8回~12回をギリギリ続けられる負荷が良いとされています。
高齢者の場合はケガのリスクを考慮し15回~30回をギリギリでできる負荷を3セット繰り返すことで十分な効果が期待できます。
インターバル(セット間の休憩)は1分。休憩時間は長くても短くても良くなく、1分がベストです。
短い場合だと成長ホルモンの分泌量が少なくなることがわかっています。
逆に長すぎる場合(5分以上)は筋繊維の損傷がうまく促されないことが多くインターバルは1分としましょう。
もし「追い込みたい」と思っておられるなら一つの参考にしてみてください。
ゆっくりとした動作で行いましょう。
ゆっくりするとしんどいです…。
しかしその分筋肉への刺激を大きくすることができます。
またゆっくりした動作は細かく動作をチェックすることができます。
姿勢が崩れてきたら限界だとし、終了しましょう。
頻度は週に2日~3日行ってください。
科学的には大腿四頭筋の回復時間は約48時間程度とされています。
なので週に3回のトレーニングが推奨されています。
しかしこれも一般論であり、ケガのリスクを最大限防止するために負荷を低くして週に2日から始めてみるのがベストではないでしょうか。
おわりに
いかがだったでしょうか。
大腿四頭筋について詳しくなっていただけたかと思います。
この記事が皆さんの生活に少しでもお役立てできれば幸いです。
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