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認知症

知ったらケアが変わる!?認知症ケアのコミュニケーション技法【バリデーション】

知ったらケアが変わる!?認知症ケアのコミュニケーション技法【バリデーション】

「認知症ケア」のミッションはとはなんでしょうか。

 

それは、認知症を抱える人が知的・身体的な残存能力を十分に活かして、抑制されることなく「固有の人格」として尊厳ある処遇を受け、最後まで「その人らしく生きる」ことです。

 

バリデーションはそのための有力なコミュニケーション技法です。

 

バリデーションのゴールは、「その人の全体像を知る」ことです。

 

それを通じて周辺症状への対応をより適切に行うことに役に立ちます。

 

 

バリデーションの原則

 

1.すべての人はオリジナルな存在であり、一人ひとり個別に対応しなければなりません。

たとえ混乱した状態であったとしても、すべての人は固有の存在価値のある存在なのです。

 

2.認知症の方は無条件で共感・受容されなければならない。

 

共感と受容は信頼を築き、心配を減らし、尊厳を取り戻します。

 

3.ご利用者の習慣となっている行動を強制的に変えることはできません。

 

本人が変えようと思わない限り、変えることができませんよね。

 

どうすれば本人がその気になるか考えアプローチすることが大事です。

 

4.認知症の方の混乱した言動には、必ず理由があります。

 

認知症の方の行動には脳機能の変化だけでなく、長い人生の中で起こる身体的・社会的・精神・心理的プロセスが反映されています。

 

人は人生の中で、様々な課題に突き当たります。

その課題を十分に解決できずに過ごしてきて、高齢期に認知症になりそのことが心の中でやり残した課題として深く残っている。

 

それがBPSD(行動心理症状・周辺症状)として現れるのです。

 

5.BPSDは過去からではなく現在の不適切な対応からも起こる。

 

現状に起因するBPSDは主に4つの理由から起きます。

 

ポイント

①周囲から傷つけられた時(無視や居心地の悪さも含む)

例)食器をお箸でカンカンたたく

②役割を見いだせない時

例)夕方に子供の帰りを待つように動き回る

③感情が発散できない時

例)ほかのご利用者に対して攻撃を行う

対処法)ネガティブな感情も含めてあらゆる感情表現の表出を促し、肯定的に受容・傾聴する

④愛情が満たされていない時

対処法)スキンシップ、ハグ、親密なアイコンタクト、笑顔で接する

受容とは、相手を評価したりせずに相手をありのまま受け入れるということです。

 

自分と相手の価値観にどんな大きな違いがあったとしても、相手を無条件で肯定的に受け止めるのが受容のスキルです。

 

14のバリデーション技法

 

技法①:センタリング                 :ケアワーカーの基本的な態度

技法②:相手の「事実」に基づいて会話する       :言語的コミュニケーション

技法③:リフレーミング(相手の言ったことを繰り返す) :言語的コミュニケーション

技法④:極端な言い方をする              :言語的コミュニケーション

技法⑤:反対のことを想像してもらう          :言語的コミュニケーション

技法⑥:思い出話をする                :言語的コミュニケーション

技法⑦:真心を込めたアイコンタクトを保つ       :非言語的コミュニケーション

技法⑧:相手に合わせて曖昧な表現を使う        :言語的コミュニケーション

技法⑨:はっきりとした低いやさしい声で話す      :言語的コミュニケーション

技法⑩:ミラーリング(相手の動きや感情に合わせる)  :非言語的コミュニケーション

技法⑪:満たされていない人間的欲求(感情)と行動を結びつける :基本的な考え方

技法⑫:相手の好きな感覚を用いる           :非言語的コミュニケーション

技法⑬:タッチング                  :非言語的コミュニケーション

技法⑭:音楽を使う                  :非言語的コミュニケーション

 

特に重要な技法の解説

 

技法①:センタリング

 

認知症の方と上手にコミュニケーションしていくためには、自身の「怒り」や「イライラ」と否定的な感情をできるだけ自身から追い出し、相手に対して気持ちを集中させることが大切です。

 

センタリングをすることで、相手の感情に集中することができます。

 

バリデーションの関りはこのセンタリングから始まります。

 

ケアの現場で認知症の方の混乱や自分の予想外の言動に節すると、自分自身の感情が乱れることが多々あります。

 

自分自身が感情的に反応して腹を立てたり、イライラした時にはその感情を抑えもむのではなく、自分の感情に気付きそっと手放すことが重要になります。

 

どうしてもネガティブな感情から自由になれない時はその場を離れ、別のスタッフにゆだねるのも一つの方法です。

 

  1. ナオミ・フェイルの本による方法
    • 下腹に神経を集中させる。
    • 鼻からゆっくり息を吸い込み、体を新鮮な空気で満たす。ゆっくり口から息を吐きだす。
    • 全ての思考をとめ、自分自身の呼吸にすべての意識を集中させる。

この手順をゆっくり8回繰り返す。

 

技法②:相手の事実に基づいて会話する

 

  • 相手の信じる、あるいは主張する事実に基づいて会話します。

 

相手にとっての「事実」はたとえ客観的には間違いであっても、「現実」として受け入れ、相手にとっての「事実」の世界でコミュニケーションする

 

ケアの現場では、相手の今いる「現実」はどこなのか知るために質問をしていく

 

  • 感情言葉ではなく、事実言葉で話します。

 

事実を聞く質問に集中していく。「誰が」「なにを」「どこで」「いつ」「どうやって」。

 

ただし、「なぜ」という質問は相手を追い詰める可能性があるので避ける。

 

例)「財布を取られた」

〇 「財布を取られたんですね。」「だれに取られましたか?」「どこに置いていましたか?」

× 「それはつらいですね」「それはくやしいですね」

 

技法③:リフレーミング(本人の言うことを繰り返す)

 

「お腹空いた。」→「お腹が空いたんですね。」

 

リフレーミングは傾聴の証の一つでもあります。

 

認知症の方は、相手が自分の言うことを繰り返して、それが確認されると安心します。

 

このとき、同じ言葉を繰り返すだけでなく声の大きさや抑揚も本人と同じように言うようにします。

 

技法⑥:思い出話をする

 

過去を訪ねることによって、見当識障害のある方が現在失ってしまったものを、過去に用いていた方法を使って取り戻すことができます。

 

例)「夜が眠れなくてね」→「お若い時も眠れないことがありましたか?」「お若い時、眠れない時はどうしていましたか?」

 

※「反対のことを想像する」(技法⑤)と一緒に使用することが多い

ケアの現場で、認知症の方に関心を寄せ、生活史を知るためにも使用できます。その人らしさを知る手法でもあります。

 

技法⑦:真心を込めた笑顔でアイコンタクトを保つ

 

コミュニケーションの基本です。

 

技法⑪:満たされない人間的欲求と行動を結びつける

 

一見理解しがた言動の背景を探求する習慣を身につけることです。

 

何度も言いますが、認知症の方の混乱した行動の裏には、必ず理由があります。

 

理由を知ることでケアの手掛かりとなります。ご本人に聞く、それができなければご家族にも尋ねます。

 

コミュニケーションタブー集

 

タブーとは、認知症の症状を悪化させる関りです。

 

1:相手を試すような質問はしてはいけません。

 

例)「ここはどこだかわかりますか?」「お年はおいくつですか?」(面会に来た家族や親しい人を)「この人誰だかわかりますか?」

 

2:叱ったり非難してはいけません。

 

「だめ!」「いけません!!」「なにしてるんですか!?」など

 

3:間違いを指摘したり訂正してはいけません。

 

食事を食べていないという方に食べ終わったばかりの皿を見せる。「食べましたよ」「間違っています」

 

4:指示、命令、説得してはいけません。

 

「~しなさい」「~したほうがいいですよ」「~したほうがあなたのためです」「~しないと駄目ですよ」「~してください」

→依頼形や誘い形に変える{~していただけませんか}「~しましょうか?」

 

5:理由を問うてはいけません。

 

「なぜ?」は相手を追い詰めるような印象与えます。

 

6:恩着せがましい言動をしてはいけません。

 

「~してあげるからね」→許可取りのコミュニケーションにかえましょう。

 

7:過剰にアドバイスしてはいけません。

 

先回りした過剰なアドバイスは相手の自立心や自尊心を損なうリスクがあります。

 

身体的な危険がない限り、「笑顔でじっと見守る」態度に徹するようにします。

 

アドバイスは①相手がアドバイスを必要としている②そのアドバイスに客観性がある、場合にのみ行いましょう。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

認知症のコミュニケーション技法「バリデーション」の簡単な解説でした。

 

バリデーションとは「認める」という意味で欧米ではたくさんの施設で採用されています。

 

バリデーションだけでは万全のケアとは言えませんが、認知症に対する知識と合わせることでより効果を発揮するでしょう。

 

みなさんがバリデーションを知るきっかけになれば幸いです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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