こんにちは、すきマッチです。
夏場(6月~9月)は介護職にとって、利用者さんの脱水症に気をつけるべき季節です。
この記事では脱水症の高齢者を発見した事例から、生活環境別の脱水症予防について考えていきます。
実際に、僕の働く事業所で生じた事例です。
是非参考にしていただき、あなたの働く事業所も役立てていただけると幸いです。
それでは早速見ていきましょう。
目次
脱水症の事例紹介
Aさんは、80代、女性、独居、アパートにお住まい。
デイサービスのお迎えに行くと、Aさんがぐったりされていた。
受け答えはされるが、あきらかに体調が悪そうだった。
室内にはエアコンがかかっていて、そこまで熱すぎない環境だった。
その場で体温を測ると、39.5度。
送迎スタッフは「夏風邪かな」と考え、その場でAさんを横にして、事務所に電話し相談した。
相談した結果、Aさんは独居で親族も遠方に住んでいることもあり、また歩行も困難なことから、救急搬送を要請した。
その後、病院で「脱水症」と診断された。
Aさんの生活環境から、なせ脱水症になったのかを考えてみます。
昔から食事は1日2食の生活だった
⇒食事からの水分も大事。1日2食の食事量では十分な水分摂取ができていない可能性がある
調理が面倒で、近頃は冷凍食品やパンなどしか食べていない
⇒水分が多く含まれる野菜や果物が摂れていない
義歯が合わず、やわらかいパンばかり食べている
⇒やわらかいパンだけの食事では水分摂取量が少ない
トイレに行くのが面倒で、水分を取ることを控えていた
⇒1日に必要な水分摂取(2,500ml)が摂れていない
デイサービス利用以外の時間に人と会うことがない
⇒体調の変化に気付いてくれる人が少ない
これらを踏まえカンファレンスでケアマネージャーと相談し、以下のような支援が追加になりました。
- 介護事業所だけでなく、大家さんや民生委員にも状況を把握してもらい、Aさんを見守る体制を構築した
- Aさんのデイサービスの利用回数を、週1回から3回に増回した。
またデイサービスでは、以下のような支援を提供しました。
- これまでの1日2食の習慣を変えるのは難しいため、間食に好きな飲み物や水分量が多い果物などを頻回に取ることを勧めた
- 具体的に普段使用しているカップで、1日5回杯、時間間隔をあけて水分を摂るように勧めた
- トイレに行く回数を心配するよりも、脱水症にならないほうが大事なことを伝えた
高齢者の生活環境別の脱水予防
ここからは高齢者のさまざまな生活環境に合わせた脱水予防の方法を紹介します。
スタッフが利用者さんとの関わりの中で意識しているだけで、脱水症を予防できる可能性が上がります。
ご家族と同居されている場合
ご家族には「食事や水分をおいしそうにロに入れているか」を確認してもらいます。
日中は1人で過ごしていて、ご家族と食事の時間が違う場合などは、【脱水予防のチエック表】などを渡し、気にしていただきたいことをご家族にお伝えします。
脱水予防のチェック表は以下を参考にしてください。
【脱水予防のチェック表】
- 食事摂取量
- 水分摂取量
- 体重
- 自分で感じる体調の変化の有無
項目はあまりたくさんあると覚えられないので、この4点のみチェックしてもらいましよう。
1日に必要な水分量や脱水症の症状などは、こちらの記事を参考にしてください。
-
参考【介護従事者必見!高齢者の脱水症】原因・症状・対策・予防法を徹底解説
こんにちは、すきマッチです。 6月に入り、そろそろ脱水症に警戒しないといけない季節になりました。 僕の働くデイサービスでも、毎年この時期は脱水症や熱中症の予防を啓発していま ...
続きを見る
一人暮らしの場合
もし一人暮らしなら「買い物に行けない、調理ができない」という理由で食事がパンや麺類だけになることが多くなります。
また、Aさんのように「トイレに行くのが億劫なので、水分を摂らないようにしている」という人もおられます。
このような方に必要な支援は以下の通りです。
- ホームヘルパーやデイサービススタッフが【脱水予防のチェック表】のチェックを行う
- 【脱水予防のチェック表】だけではなく、ちょっとした生活の変化にも早期に気付き、対応できる体制をつくる
- 近隣の方や民生委員に可能な限り情報を伝え、支援の必要性を伝えておく
認知症の方の場合
認知症の方は、自分の食べた物や水分の種類、量を覚えられないことが多く、【脱水予防のチェック表】の管理は難しくなります。
またスタッフが脱水予防の声かけを頻繁に行っても、生活リズムを変えることは難しいです。
そして、体調が悪くなったことに気付きにくく、気がついたときには重症化してしまっている可能性があります。
このような方に必要な支援は以下の通りです。
- 利用者している介護サー ビス事業所と連携を強化し、体調不良の早期発見につなげる
- できれば毎日、訪問介護や訪問看護のように家の中(生活)の様子が確認できるサービスを利用してもらう
嚥下障害がある場合
嚥下障害がある場合、とろみ具合の確認について不安に感じているご家族も多いです。
そのような場合は「栄養ケア・ステーション」にご連絡ください。
栄養ケア・ステーションに連絡すれば、お住まいの地域の栄養士が訪問し、とろみのつけ方や嚥下状態が悪い方の調理の工夫などをお伝えしています。
「とろみ」のつけ方の注意点は以下のようになります。
- とろみ剤は適量を使う:医師や栄養士から指導された量で
- ダマにならないように混ぜ、とろみがつくまで待つ:30秒ほど混ぜてから2~15分おき、再度30~60秒ほど混ぜるようにする
- レシピに応じて使い分ける
おわりに
いかがだったでしょうか。
脱水予防は「水分摂取を促す」だけではありません。
その人に応じた関わりが大事になります。
いろいろな生活環境に合わせた脱水予防を考えられるようになることで、利用者さんも守られます。
今回お伝えした内容が、あなたの働く事業所でお役立てできればうれしいです。
介護事業所の必須研修
当ブログサイトは主に、介護施設で必要な"必須研修"について発信しています。
下記の表をご覧ください。
それぞれの研修についてブログを作成しています(※作成中の記事あり)
もしご興味があればこちらから覗いてみてください。
こちらもCHECK
-
毎年できていますか?介護施設の必須研修資料一覧【研修テンプレあり】
こんにちは、すきマッチです。 あなたの施設は年間研修予定は立てていますか? 法定研修はご利用者のため、スタッフのため、会社のために絶対必要なモノです。 どうせ ...
続きを見る
その中でも一番読まれている研修記事を載せておきます。
わかりやすい!倫理及び法令遵守に関する研修/プライバシー保護の取り組みに関する研修【法定研修はこれでOK】
こちらもCHECK
-
わかりやすい!倫理及び法令遵守に関する研修/プライバシー保護の取り組みに関する研修【介護の法定研修は必須】
こんにちは、すきマッチです。 通所介護を運営する上で必要な「法定研修」があります。 これらの研修は必須です。 介護サービス情報公開総合サイトより ...
続きを見る
抜け出せない現状にストップ!【筆者推奨:転職サイトの紹介】
下記のブログ記事で筆者の推奨する転職サイトを5つ紹介しました!
【最新2024年版】介護転職サイト厳選TOP5/今より待遇の良く、未来のある職場に転職
実績・認知度・会社規模や求人数など、どれをとっても申し分のない転職サイトです。
転職サイト選びは「自分の転職の目的や、希望する条件と合致しているか」という点が問題です。
- もっと給料を上げたい
- 人間関係の良い職場で働きたい
- 子育て中でも働きやすい職場を見つけたい
- キャリアアップができる会社で働きたい
- 資格の補助が出るようなところを探したい
こんな方には是非読んでほしい記事です!
CHECK
-
【最新2024年版】介護転職サイト厳選TOP5/今より待遇の良く、未来のある職場に転職
こんにちは、すきマッチです。 転職サイトは、自分の転職目的や希望する雇用形態応じて使い分けると、よりよい求人に出会える可能性がUPするってご存じでしたか? 今 ...
続きを見る
「転職サイトを見比べるのはめんどくさい…」という方は、下記の転職サイト(かいご畑)1択です!
筆者の藤原は、転職して3年で前の職場より200万円近く年収が上がりました。
本気で転職を考えている方は今すぐクリックを!