こんにちは、すきマッチです。
6月に入り、そろそろ脱水症に警戒しないといけない季節になりました。
僕の働くデイサービスでも、毎年この時期は脱水症や熱中症の予防を啓発しています。
この記事では介護従事者が知っておくべき、脱水症の原因・症状・対策・予防法を解説していきます。
是非参考にしていただき、あなたの働く事業所で使っていただけると幸いです。
それでは早速見ていきましょう。
目次
高齢者は、水分の摂取量より排出量が多い
体内の約60% (高齢者は約50%) は水分です。
この水分量は、常に一定の量を保つ必要があります。
でも、それぞれの生活の環境(気温・湿度)や日々の活動量によって変化します。
まずは人間の身体の水分の出入りを確認してみます。
水分の摂取量より排出量が上回ると脱水が起こるため、適切な量の水分摂取が重要です。
水分の摂取量
1日の水分の摂取量は、約2500mlです。
摂取方法は以下の3通りです。
- 飲料水 約1000〜1200ml
- 食事 約1000ml
- 代謝水 ※約300ml
※体内で栄養素がエネルギーになるときに生成される
食事から摂取する水分も意外と多くあります。
水分の排出量
1日の水分排出量は、約2500mlです。
排出方法は以下の2通りです。
- 尿・便 約1000〜1500ml
- 呼吸・睡液・汗 約1000mi
上記2通り以外にも、体調を崩した場合や季節によって水分の排出量が増えます。
以下のような場合は、注意が必要です。
- 熱発により汗をかいた場合
- 嘔吐や下痢が続いた場合
- 夏場にエアコンをつけず、大量の汗をかいた場合
- 冬でも厚着をして温かい部屋でこたつなどに入り、持続的に汗をかいた場合
高齢者は、体内の水分量が減っていても、喉の渇きを感じにくかったり、暑さに気が付きにくかったりします。
また、高齢者は薬を服用している人も多く、薬によっては血中濃度を急激に上昇させるものもあります。
そのような場合は脱水症のリスクがあがります。
高齢になると歯の状態(咀嚼)や飲み込む力(嚥下)が弱くなるため、食事からの水分摂取が少なくなりがちです。
このような理由から高齢者は、水分摂取量と排出量のバランスが崩れ、体内の水分量が減り脱水症のリスクが高いので、介護施設では常に注意喚起が必要です。
脱水症の症状
症状は様々です。
【軽度の場合】、【中等度の場合】、【重度の場合】に分けてお伝えしていきます。
軽度の場合
【症状】
- 皮膚の乾燥
- めまいやふらつき
- ロの中の乾燥
- 手の甲の皮膚をつまみ上げて離すとすぐに戻らない
- 爪を押してから離すと色がすぐに戻らない
- 血流が悪くなり、手先や足先が冷たくなる
【対策】
水分とミネラルが必要です。
「経口補水液」を飲みましょう。
経口補水液はスーパーやドラックストアで販売しています。
夏場は自宅に数本準備しておくことをお勧めしています。
自宅で簡単に経口補水液を作ることもできます。
もし興味があれば、こちらも参考にしてみてください。参考記事:アストリション
中等度の場合
【症状】
- 体重の減少
- 頭痛や吐き気の訴え
- 汗や排尿量の減少
- 嘔吐や下痢
【対策】
こまめに「経口補水液」を飲みましょう。
嘔吐がある場合も、できるだけ「経口補水液」を飲む必要があります。
もし症状が落ち着かない場合は病院を受診してください。
重度の場合
【症状】
- 意識がもうろうとしている
- 意識の消失
- けいれん
【対策】
このような場合は、すぐに病院を受診しましょう。
脱水症の予防
高齢者は脱水になりやすいため、自宅での脱水を防ぐ工夫を伝えることが必要です。
予防法は5つです。
- 1日に必要な水分量をこまめに摂る
- 部屋の湿度や温度を調整する
- 良いタイミングで水分補給をする
- 良いタイミングで水分補給をする
- 水分が多い食べ物を意識する
以下、具体的にお伝えします。
1日に必要な水分量をこまめに摂る
1日に必要な水分量は1000mlです。
でも1000mlといってもどのくらいの量なのかイメージがつきにくいと思います。
普段使うコップを持って来てもらい、「1杯の水分量はどれくらいなのか、このコップで1日何杯飲めばよいのか」を確認してみましょう。
そうするとイメージが付きやすくなります。
そして、水分は一度にたくさん飲んでも、あまり効果がありません。
必要な水分をこまめに摂取することを伝えることも大切です。
部屋の湿度や温度を調整する
高齢者は室内で過ごす時間が多いです。
室内は湿度(60%以下)や温度(28度以下)を調整しましょう。
換気やエアコンで普段使う部屋の環境を整えることで、身体の水分を保つことができます。
夜寝ている間にも身体から水分が出るため、室内環境の調整を忘れないように注意を促しましょう。
良いタイミングで水分補給をする
以下のような水分補給が必要なタイミングを伝えましょう。
ポイント
- 起床時
- 食事前
- 運動や家事を行う前後
- 入浴後
- 飲酒後
このほかにも、汗をかいたり、体調を崩して下痢や嘔吐がある場合もこまめな水分補給が必要です。
好みの飲み物を準備しておく
ご家族が飲み物を準備して置いておくだけでは、飲まない場合もあります。
でも好きな飲み物であれば、意外ときちんと飲んでいただけることが多いです。
好みの飲み物を把握しておき、準備しておくことも脱水症予防になります。
水分が多い食べ物を意識する
高齢者は水分を飲むことが苦手な方も多くいます。
そのような方へは、食べ物から水分摂取を促しましょう。
水分を多く含むフルーツ、ゼリーや水ようかんなどの水分を凝固させたものからも水分を摂取することが可能です。
このようなものを提供することで、自然と水分を摂取しやすくなります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
高齢者は脱水症になりやすく、症状が出現すると一気に悪化して危険な状態に陥りやすくなります。
そのため、脱水症状が出てから対応をするのではなく、普段から脱水予防を意識することが重要です。
介護施設で働く介護従事者は、こういった脱水症の知識が重要になります。
介護従事者に知識があり、高齢者やご家族に伝えることで、未然に防げることも多いです。
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