こんにちは、すきマッチです。
今回は、「自立支援とQOL」についてお話したいと思います。
全国の介護士、福祉関係者がどれほど「自立支援とQOL」を理解して仕事をしているか。
私は介護を初めて6年後に初めて自分の言葉で表現できるようになりました。
自立支援
自己決定、自己決定を支援することが「自立支援」である。
QOL(生活の質)
QOLが高いとは選択肢の数が多いということである。
これらを表現できたとき、私は介護職としての自覚が変わったと思います。
今回の記事では、「自立支援」と「QOL」をそれぞれ私の考えを入れて書いていきたいと思います。
介護職として、高齢者に係わる全ての人に何かのきっかけとなればうれしいです。
自立支援とその考え方
皆さんの思う「自立支援」とはなんでしょう?
よく勘違いで聞くのが、「ご利用者に自分でやってもらうこと」と思っている方がいます。
例えば、重度の方の更衣介助で「ご利用者のため」と手を貸さず時間をかけて見守りをする、ことです。
これは間違った支援です。
ご利用者に「時間をかけてでもやる意欲」があり、スタッフ側も「この動作は生活を送るうえで重要な動作であり“今”やることが適切」な時には「自立支援」になります。
こんな書き方をすると、なにがいけないのか!と怒られそうですが、
介護において「自立」とは「自己決定」です。
「自己決定」とは「介護を受ける」ことも含む自分で「決定」することです。
上記の例で言うと、
きれいごと抜きで、十分に更衣の時間をとれる施設、サービス形態はほぼないと思います。次の利用者や時間の枠に焦っていては適切な支援はできません。
さらに、ご利用者も浴後の湿った肌では更衣がしづらく、体力も消耗しています。「それがリアルの生活」と言われればそうですが、リスク等を考えると最適とは言い難いです。
ご利用者は「介護を受ける」選択をすることができます。もちろん「介護を受けない」選択もできます。
在宅等でも同様です。
この例でいう「自立支援」とは
更衣動作において、「自分でする選択」以外にどのような選択肢があることを知ってもらったうえで、どのように更衣をするかを「決定」していただくことです。
ケアの中で、「その人のADL(日常生活動作)のレベル」、「その人の性格から他に選べる選択肢を理解して提案」、選んでいただくことができれば第2章の「QOLの向上」に繋がります。
QOLとその考え方
QOLとはQuality Of Life(生活の質)と言われます。
福祉業界ではQOLとは「その人らしい生活」と言われることが多いです。
では「その人らしい生活」とは?難しく考える必要はありません。
私たちは生活の中で、たくさんの選択肢から選んで行動していますよね。
朝起きてから夜寝るまで、すべて自分で選んで行動しています。
それは「私らしさ」であり「あなたらしさ」です。
年をとり、病気になり、なにかしらのハンデを背負ってしまったから「できない」「あきらめる」ことは「らしさ」が奪われていますよね。
QOLの向上とは、ハンデを背負うことでできなくなったことをサポートすることで
「選択肢を増やす」ことです。
ここでのサポートは、実際に介助する、環境を整備する、能力の獲得を手伝うなどなど、介護に限らず医療・看護・リハビリ等多岐にわたります。
第1章で挙げた例で例えると
ご利用者が「更衣介助」を受ける「決定」をして、更衣の時間を短くし負担を減らす。「自己決定」
→
意欲高くリハビリに臨むことにより、効果の高いリハビリができる。
これは、「介護を受ける」→短縮した時間で「質の高いリハビリをする」ことを選択しています。
「質の高いリハビリ」をすることで「できることが増える」(ADLがあがる)
→
選択肢が増える。「部分的に自分でできるようになる」「体調により介護を受けるかを選択できるようになる」
というようにADLが上がると、できること(選択肢)が増えます。
この例でいう「QOLの向上」とは、
ご利用者に時間をかけて更衣動作をしてもらうことではなく、
更衣動作を短縮しリハビリに重きを置いて、「できること(選択肢)」を増やすことです。
更に言うと、ここでは更衣介助に焦点を置いていますが、「社会参加」や「趣味活動」に時間を使う選択もできます。
着替えに時間をかけるより、その後の友人との食事会に時間を使いたい
といった感じでしょうか。
やればできることを介助してもうことをご利用者が選択すると、するべきことをせずにサボって遊んでいる。と感じる方もいるかもしれませんが、
自分自身に置き換えたときに、「できるにはできるがすごく時間がかかって大変なこと」をイヤイヤやることができるでしょうか。
そこに「自分らしさ」や「自己選択」があることが重要です。
友人との食事を「選択する」ことが「QOLの向上」はもとより生活する意欲の向上にもなります。
ポイントは、「自分ならどうしてほしいか」「自分が受けたい介護」をイメージしましょう。
「自立支援」「QOL」とADL(IADL)
まずは、ADLとIADLについて
ADLはBADLとも言われる、「日常生活動作」です。
生活の中での基本的な動作のことを指します。
IADLとは、手段的日常生活動作と言います。
ADLを複数組み合わせた動きや日常生活の中でのより複雑な動作になります。
大体の分類を下記の表でしていますので参考にしてください。
ADL(IADL)と自己決定、QOLは密接に関係しあい、どれかが欠けてしまうと他が低下してしまいます。
ADLが低下すると、できることが減りQOL(選択肢の数)が下がります。
自己決定ができないとQOLが下がり、必然的にADLが低下します。
ADLの向上はリハビリ職の仕事と思われがちですが、介護職も十分に担うことができます。
むしろ「日常生活動作」ですので、介護職のほうが日常生活に関わる時間が多いため重要といえるかもしれません。
立ち上がりや歩行時など動作時の「介助量」が過介助・過小介助にならないように、「適切な介助」をすることでADLは向上します。
また、車いすの方が自席で椅子に座りなおすようにする。「立ち上がり」の回数を増やす工夫がADLの向上に繋がったりします。
このように、場合によってはリハビリ職による「リハビリ」よりも日常生活の中の「動作」を適切に介助するほうが効果が上がることもあります。
注意が必要なのは「適切な動作」を介助することです。
間違った動作を覚えてしまった場合、一人ですることが出来なくなる、介助に「依存してしまう」など、マイナスに働いてしまうことが多くなってしまいます。
「適切な介助」と言われても、「難しい」と感じてしまった方は、自分の体の動きをイメージしてください。
同じ動作をするときの姿勢、力の入るタイミング、バランスなどです。
それもイメージが難しいという方は、今の時代ネットやyoutubeにもたくさん情報があります。
活用できるものを使い、介護技術を向上させましょう。
もちろん、動作やポイントなどの指導をリハビリ職からもらうほうがより適切になります。
今後、すきマッチとして介護技術の動画などを上げていく予定ですのでそちらも活用してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
自立支援とQOLについてお話をしました。
研修や勉強会などで当たり前のように何度も使われるこれらの言葉を、どのように捉えるかで介護に対するイメージが変わる気がします。
「介護」を3K(きつい、汚い、危険)で表現することに違和感を感じていました。
人員が不足している施設や、ブラックな事業所ではそういったイメージが抜けきれないのかもしれません。
現場レベルでどうにかできる問題ではないのかもしれません。
経営者層や管理者層が明確な「介護観」を持ってほしいと思います。
そうすることで「高齢者になっても」「ハンデを背負っても」自分らしく生きていける社会になっていくと思います。老いることを「つらい」と感じる人が減ると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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