皆さんこんにちは。
法令と法令遵守について記事を書いていきます。
医療保険、介護保険で働いている方が多いと思いますが、現場のスタッフはあまり保険制度について、または法令をしっかり理解できていない方が大勢おられる気がします。
しかし、何かあったとき『知らなかった』では済まされないんですよね…。
介護施設では処遇改善給付金とういう物を取得している施設が多いと思いますが、
給付金をいただくうえで、【法令遵守】の研修を施設ですることが義務付けられています。
ただこの研修、面白くないんです💦重要な研修ではあるんですが…。
この研修を、できるだけ簡潔に要点をまとめ、わかりやすくしようと試行錯誤を繰り返した結果できたものを記事にしたので、
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
法令遵守(コンプライアンス)とは
法律を守り、従うことです。
ではなぜ法令遵守(コンプライアンス)の研修が必要なのでしょうか。
それは多くの施設で知らない間に法令違反が発生するからです。
法律や規則は守る、守らないの2つの選択肢しかありません。
実際、細かい法令や規則は個人の倫理・道徳にゆだねるしかありません。
保険制度のサービスを提供するうえで、最低限守らなければならないことが法令で決まっています。
法令遵守のポイント
最も重要なことは、
どれだけ法令遵守(コンプライアンス)の研修をしたところで、
それだけ社内規定でコンプライアンスの強化したところで、
どれだけコンプライアンスに関する内部監査体制を構築したところで、
個人の守ろうという意識が低ければ、一瞬で破られてしまう。ということです。
介護保険法と法令遵守(コンプライアンス)
介護保険制度とは、介護保険法に基づき運営される社会制度のことです。
各施設ごとの介護サービスの内容・業務・記録・報酬体系・施設基準などはすべて、介護保険法に記載されている内容をもとに実施されています。
介護保険法に基づき、私たち介護事業者が要介護利用者へ提供した介護サービスの対価として、定められた介護報酬が支払われるステムの上働いています。
簡単に言うと、介護施設の業務はすべて法律で定められている。ということです。
介護報酬の不正請求
介護報酬はどこから支払われるのか、おさらいをします。
利用者負担(1~3割)+介護保険(7~9割)=介護報酬
利用者負担とは:利用者から直接利用料の支払いを求める
介護保険とは:介護保険の財源は、公費(税金)50%+保険料50%
公費内訳:国(20~25%)+都道府県(12.5~17.5%)+市町村(12.5%)
保険料とは:給与所得より引かれる介護保険料などの社会保障費
上記からわかるように、
介護報酬は利用者の負担と、国民全体の負担で支払われています。
よって介護報酬を不正に請求するということは、
国民全員へ詐欺を働く行為である
ということを理解しておきましょう。
介護業務で法令違反が発生する原因
法令違反が発生する原因を4つ上げました。
自施設で提供している介護サービスに関する介護保険法の知識を持たない職員が多く働いている
普段現場のことだけを考えて働いていると、介護保険法の必要性が薄れていき、様々な取り組み意識が低下していきます。
サービス利用開始に必要な介護計画、入浴の実施記録などサービス提供に関わる様々な書類の必要性が理解できず、後回しにしたり、ほったらかしにしたり、後日まとめて作成することが日常化していないか。
事故・ヒヤリハット報告など、安全に関わる報告義務を隠す傾向にないか。
ケアプランを基に作成されたサービスの実施計画にないことを、ケアマネージャーに相談せず、その場の判断で勝手にサービスを増やしたり減らしたりしていないか。
職員意識が低く、「書類があればいい、やっておけばいいんでしょ、する意味が分からない、関係ない」など、必要業務に対して理解を求めても消極的、反抗的な態度になっていないか。
上記のような状態がないか、もう一度確認してみましょう。
介護報酬に目がくらみ、不正な手段を用いたり、必要のないサービスを過剰に提供したりすることで、報酬を得ようとする者がいる
やっていることは詐欺・横領、ただの犯罪行為です。
介護サービスを運営している施設経営のモラルが低く、請求担当者や部下に書類の改ざんを指示・強要したり、バレないよう不正に介護報酬を水増しするなど、組織的犯罪は非常にたちが悪く、発覚後に社会問題や大事件に発展します。
会社の方針で、利用者に必要のない過剰な介護サービス計画をケアマネージャーに作成させ、介護サービスを利用させる。
限度額いっぱいまで介護報酬を請求することで利益を上げようとする。
法律で定められた利用者負担(1~2割)を請求せず不正な役割を行ったり、介護サービスと関係ない娯楽型のサービスを併用させたりすることで、利用者を集客・依存させ、本来の目的とは違ったサービスを提供し、その利用実績により介護報酬を請求する。
その他、悪質でグレーな行為による介護報酬の請求など
上記のような状態がないか、もう一度確認してみましょう。
日常業務に追われ管理・監査体制がおろそかになり、本来は請求できない報酬を過誤に請求し報酬が支払われる
どこの施設も日常的に様々な加算を算定し、介護報酬を請求していますが、人員基準や算定要件はしっかりとクリアしているか確認していますか。
職員の入退職、勤務シフトの配置ミスにより、知らないうちに算定基準を満たしていない状況になっていないでしょうか。
法律解釈を間違え、実際は算定できないのに報酬請求をしているかもしれない。
その日は入浴していないのに、間違えて入浴した事になり報酬を請求しているかもしれない。
知らない間に送迎時間が変更していて、請求している滞在時間を満たしていない場合がある。
日常的にチェック(監査)する体制がないと、知らないうちに違法請求を続けているかもしれません。
知らないうちに違法請求を続け、後で法律を知らなかった・理解できなかった・気が付かなかったは、言い分けとして一切通用しません。
ミスは必ず発生するので、管理監査体制は絶対に必要です。
業務に追われ、書類作成や日常記録業務を後回しにする。その必要記録がないまま月末を迎え、とりあえず介護報酬の請求を行う。監査や指導が入る前に必死で書類整理を行う
記録の後回し、チェック漏れによる誤った請求を過誤請求といいます。
指定事業者はケアマネージャーがたてたケアプランをもとに介護サービス計画を立て、利用者へ介護サービスを提供します。
その実施と内容を記録に残し、初めて介護報酬を請求することができます。
計画の立案、実績記録が残されていない状況で介護報酬の請求を行う行為はできません。
書類業務が後回しになったり、後日うろ覚えの記憶で報酬を算定する行為は過誤請求を引き起こす原因となります。
また、記録をどんどん後回しにして、長期間記録業務を放棄しているにもかかわらず報酬算定を行えば、それは介護報酬の不正請求です。
指導監査、情報公表前に手元にない記録書類を一生懸命作成する行為は、ただの違法行為から逃れようとする犯罪行為です。
介護に関わる全ての人が、しっかりとした知識と認識を持ち、お互いにコミュニケーションを取りながら健全な姿を考えていきましょう。
介護保険法以外では働くうえで必要な法律知識
下記は、社会で働く物として守らなければならない法律です。
当然守る必要があります。
ここでは簡単に記載しますが、『不十分だ』と感じたら、深堀していってください。
労働基準法
就業規則・雇用契約書類・労働時間・労働安全衛生・賃金などの違反
道路交通法
スピード違反・歩行者妨害・携帯電話・車両安全管理義務の放棄など
消防法
消防訓練の未実施・防火管理者の未設置・防火点検の未実施など
高齢者虐待防止・権利擁護
不必要の身体拘束・暴力・暴言・金銭の着服、介護放棄、性的虐待など
その他
薬剤の取扱・提供する食事に関わる食品衛生、個人情報の保護など
介護保険制度に記載されている業務に関する法令基礎
介護保険制度の義務
『義務』とは『当然しなければならない務め』です。
しっかりおさえておきましょう。
指定事業者は、要介護者(又は要支援者)の人格を尊重しなければならない
指定事業者は、介護保険法又は同法に基づく命令(政令及び省令)を遵守しなければならない
指定事業者は、要介護者(又は要支援者)のため忠実にその職務を遂行しなければならない
指定事業者は、上記に規定する義務の履行が確保されるよう、業務管理体制を整備しなければならない
業務運営に関する法令等
どんな介護施設でも共通して必要な法令をあげました。
まずはこれらの管理体制を整えることから始めてみることをお勧めします。
人員基準
施設やサービスごとに人員基準が定められている。
その基準内容が記載された運営規定が、必ず施設に掲示されている。
サービス提供の拒否の禁止
正当な理由なくサービスの提供を拒んではならない。
サービス困難時の対応
適切なサービスが困難であると認められる場合は、当該利用申込者に関わる居宅介護支援事業者への連絡、適切な他の事業者への紹介、その他必要な措置を速やかに講じなければならない。
居宅サービス計画に沿ったサービス提供
居宅サービス計画(ケアプラン)が作成されている場合は、当該計画に沿ったサービス提供をしなければならない。
身分を証明する書類の携行
訪問を行う際は身分を証明する書類を携行させ、利用者又はその家族から求められたときはこれを掲示させなければならない。
サービス提供の記録
サービスを提供した際には、提供日及び具体的な内容、利用者の心身の状況、その他必要な事項を記録しなければならない。
また、利用者から申し出があった場合には、文章の交付又は利用者の用意する手帳などに記載するなどの方法により、提供したサービスの具体的な内容を利用者に対して提供しなければならない。
提供サービスの基本的取り扱い方針
利用者の要介護・要支援状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その目標を設定し、計画的に行わなければならない。
提供サービスの具体的取り扱い方針
居宅サービス事業者は、基準に定められた具体的取り扱い方針に基づき、適切なサービス提供又は支援を行わなければならない。
介護サービス計画書の作成
利用者の日常全般の状況及び希望を踏まえて、サービスの目標、目標を達成するための具体的な内容等を記載した介護サービス計画書を作成しなければなない。
介護サービス計画書はケアプランの内容に沿って作成されなければならない。介護サービス計画書の作成にあたっては、その内容について利用者その家族に説明・同意を得なければならない。
介護サービス計画書を作成・変更した際には、利用者に交付しなければならない。
同居家族へのサービス提供の禁止
訪問看護・介護事業者は、その利用者と同居している家族に対して、サービスを提供してはならない。
勤務形態の確保
利用者に対し適切なサービス提供ができるよう、事業所ごとに介護従事者などの勤務の体制を定めておかなければならない。介護従事者等の資質の向上のために、その研修機会を確保しなければならない。
秘密保持
正当な理由なく、業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはいけない。
事業所の従事者であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
サービス担当者会議等において利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合はその家族の同意を、あらかじめ文書により得ておかなければならない。
事故発生時の対応
利用者に対するサービス提供により事故が発生した場合は、市町村利用者の家族、担当するケアマネージャーに連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
事故の状況及び事故に際して講じた処置について記録しなければならない。
利用者に対するサービス提供により損害すべき賠償が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
苦情解決
提供したサービスにかかる利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応しなければならn。苦情を受けた場合には、その内容などを記録しなければならない。
おわりに
いかがだったでしょうか。
実際に問題が起きてからではどうしようもなくなります。
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