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介護職員処遇改善加算の算定条件に使える【介護職員のメンタルヘルスケア(Part3):指導の注意点】

介護職員処遇改善加算の算定条件に使える【介護職員のメンタルヘルスケア(Part3):指導の注意点】

こんにちは、すきマッチです。

 

介護職員処遇改善加算(以下、処遇改善加算)は、今や介護事業を運営していくうえでなくてはならない加算です。

 

この加算はほとんどの事業所が算定しています。

 

でも処遇改善加算は上位加算になればなるほど条件は厳しくなり、あなたもその条件を満たすために日々切実に取り組んでおらえることかと思います。

 

今回は、処遇改善加算Ⅰ~Ⅲ共通である[職場環境等要件]のうちの"メンタルヘルスケア"に着目した内容をお伝えしたいと思います。

 

[職場環境等要件]とは、「介護職員の賃金以外の職場環境改善に対する取り組みを整備しなさいよ」、という条件です。

 

下記の表が、職場環境等要件です。

処遇改善

※「職場環境要件について」シート参照。

 

この中で、

 

  • エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入
  • 業務や福利厚生制度、メンタルへルス等の職貝相談窓口の設置等相談窓口の充実

 

とうい項目があるように、メンタルヘルスを考えることは非常に重要です。

 

今回は介護職員のメンタルヘルス考える上で、気を付けなければ人間関係を壊しかねない"職場への指導"についてその注意点をお伝えしていきます。

 

 

相談

 

 

介護の現場は年齢や経験が異なる人で遂行されます。

 

その上ご利用者と良好な関係を作り、リスクやミスを排除するために、マニュアル通りにはいかない細やかな対応が求められます。

 

よって未経験者には、先輩たちの指導や助言が欠かせません。

 

または介護の経験豊富な年長者へ指導する必要がある場合もあります。

 

そして伝え方次第では経験を積むどころか、人間関係に亀裂が入り、ミスが増えるなど逆効果になることがあります。

 

指導に悩んでいる現場も多いと思います。

 

伝え方の3つのポイント

事例をあげて考えてみます。

 

30代で介護リーダーのAさんです。

 

転職したばかりの未経験の40代男性新人Bさんが、車椅子移乗動作の際、ご利用者の足に外傷を負わせてしまいました。

 

Bさんはその後、何度も危ういミスを起こしかけます。

 

Aさんは「ご利用者に怪我をさせるなんてあってはならないことです! しっかり確認をしてください!」と厳しく叱責します。

 

しかしBさんは全くピンと来ていない様子です。

 

そこでAさんは、Bさんが移乗動作をするときは他のスタッフに見守りをさせることにしましたが、そうすると他のスタッフの負担が増し、不満の声が出るようになりました。

 

こんな時、あなただったらどう対応しますか?!

 

相手の行動を変えてもらうためには、3つのポイントがあります。

 

"具体的"な指示を出す

まずは「指示は具体的に」を意識しましょう。

 

「しっかり確認して」「気をつけて」 と言われても、 指導された人の脳は、何をどうすればいいのか、イメージできません。

 

行動変容を促したいときは、「フットレストを左右とも最後まで上げ切ってください」「靴を履いてもらってから移乗動作をしましょう」と具体的な言葉で伝えます。

 

相手の話すスピードに合わせて伝える

人間の発語スピードは、 呼吸のスピードと同期しています。

 

呼吸は「命」に直結しているので、 リズムを乱されると脳は危険を感じて本能的に敵意を向け、 相手の意見を受け入れることができません。

 

急かしたいときも注意が必要です。

 

早口で指示をすると、相手は勢いに巻き込まれ、冷静な判断をしないまま行動し、ミスにつながってしまいます。

 

相手の話すスピードに合わせた声かけを心がけましょう。

 

感情的にならずに、冷静に伝える

重要なことであればあるほど、理解してもらいたいと熱がこもるものです。

 

しかし、「あなたのためを思っているからこそ!」といった熱意は空回りで終わることがほとんどです。

 

熱意を前面に出して伝えると、相手の脳は危機感を刺激され、受け入れる余裕を失います。

 

また、強い言動をとると指導者側自身の感情がコントロールできなくなります。

 

「こんなミスありえない! お前はバカか!」と、人格否定につながる言葉を衝動的に発しても、指導する側、受ける側ともにデメリットしかありません。

 

指導すべき問題と、相手の人格や存在意義は別物です。

 

相手の非をわからせてやりたいと感情的になっているときには、指導はできないと心得ましょう。

 

命に関わること、 ご利用者の尊厳に関わることで厳しい指導をしなければならないときもあると思います。

 

そのときには、「あなたのことを尊重しているけれど、この件については改善が必要」と、相手の存在を受容した上で、具体的に伝える相手のスピードに合わせて話すことを意識してください。

 

指導の効果は「関係性によって変わる」

指導には「関係性を築けているかどうか」が重要です。

 

ある研究によると、「関係性がよく好感をもっている人からの声かけは、脳の機能を向上させる働きがある」という結果が報告されています。

 

指導をする、しないに関わらず、相手のパフォーマンスを上げるには、「良好な関係」と「声かけ」だけでも効果があるというのです。

 

逆に、 関係が悪く、 嫌悪感を抱いている人からの声かけは、脳の機能を著しく低下させます。

 

信頼関係を築けていない人からダメ出しを受けると、脳は下記項目のようなエラーを起こします。

 

  • 言語理解力の低下:注意や指導の言葉を理解することができなくなる
  • 未来予測力の低下:今後どうすればいいのか、 何をすればいいのか、考えられなくなる
  • ミスを発見する機能の低下:全体を俯瞰して、 問題や課題に気づく能力が低下する
  • 学習力の低下:失敗から学び、修正していくことが困難になる

 

後輩や部下に何度注意しても改善されないときは、 指導を一旦止め、「もしかしたら、脳がエラーを起こしているかも」と一呼吸置きましょう。

 

お互いが冷静さを取りもどしてから、 改めて解決行動に向けた話し合いをしてください。

 

良好な関係に不可欠な「心理的安全性」

職員との「良好な関係」を築くには、組織間で「心理的安全性」を意識しましょう。

 

これは、自分が意見を述べるときや、 弱さを見せる場面などで、他のメンバーから拒絶や非難を受けることがなく、 安心感と信頼感を組織内で共有できている状態のことです。

 

心理的安企性があると、「率直な意見交換ができる、未然にミスを防ぐことができる、一人ひとりのパフォーマンスが上がる」など、職場内全体の活性化と成長が期待されると、 様々な企業が取り組んでいます。

 

指導を受ける人が「自分は受け入れられている」「自分の考えを話しても大丈夫」という安心感があるからこそ、相手の意見を率直に受け入れ、成長や変化、前向きな言動に転換していくことができるのです。

 

誰かに指導する場合は、まず「信頼関係は築けているか」「相手が率直に意毘を言える関係性があるか」といった、根本的な課題に意識を向けることが必要です。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。

 

介護現場において上司や先輩からの"指導"は欠かせません。

 

しかしその方法を誤ると関係性は壊れてしまい、職員は成長しません。

 

それが続くと人間関係は低下しまたケアの質は低下も低下してしまいます。

 

働きやすい職場、またはケアの質の高い職場には、メンタルヘルス制度が整っています。

 

まずは知識から取り入れていきましょう。

 

このブログ記事が、御社の介護現場におけるストレスマネジメントに少しでもお役立てできればうれしいです。

 

最後に、当サイトは主に介護施設で必要な"必須研修"について発信しています。

 

下記の表をご覧ください。

 

介護倫理法令研修

介護サービス情報公開総合サイトより一部引用

それぞれの研修についてブログを作成しています(※作成中の記事あり)

 

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