こんにちは、すきマッチです。
介護職員処遇改善加算(以下、処遇改善加算)は、今や介護事業を運営していくうえでなくてはならない加算です。
今や介護職員の給料アップのため、ほとんどの事業所がこの加算を算定しています。
しかし処遇改善加算は上位加算になればなるほど条件は厳しくなり、あなたもその条件を満たすために日々切実に取り組んでおらえることかと思います。
今回は、処遇改善加算Ⅰ~Ⅲ共通である[職場環境等要件]のうちの"キャリアアップ"に着目した内容をお伝えしたいと思います。
[職場環境等要件]とは、「介護職員の賃金以外の職場環境改善に対する取り組みを整備しなさいよ」、という条件です。
下記の図が、職場環境等要件です。
※「職場環境要件について」シート参照。
この中で、「上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ等に対する定期的な"相談"の機会の確保」とうい項目があるように、キャリアアップ制度を考えることは非常に重要です。
"相談"と言ってもその"方法(武器)"を知らなければ、どのようにキャリアアップにつなげればよいかわからず、相談のつもりが雑談に終わりかねません。
最終的には評価者の主観でキャリアが決まってしまうのが落ちです…。
この記事ではキャリアアップ制度を考える上で必要な相談の方法を具体的に「面談」、「コーチング」、「1on1」の違いからお伝えしていきます。
面談とは
面談とは上司から、
- 部下の習熟度
- 緊急性
- 重要性
に合わせてティーチング、アドバイス、フィードバックをする場です。
"ティーチング"とは指示や助言によって相手に答えを与えることであり、後で述べる"コーチング"とは相手から答えを引き出し、自己決定や自己解決を支持することです。
ティーチングは、
- 「~のように改善して欲しい」
- 「もう少し~してみてはどうだろうか」
- 「~を伸ばしてもらえると次の段階にいけますよ」
といった感じです。
そしてそれらを定期的にフィードバックすることにより部下は、上司からの指導による気付きから、改善や目標をコミットします。
そしてこれら上司によるティーチングもアドバイスも、「会社の理念」、「会社の方向性」にそって行われます。
あくまでも面談は、上司は上位者の視点で部下を評価し、
- 会社での役割
- お給料
- 日常業務
などを鑑み行われるものです。
コーチングとは
上記の繰り返しになりますが、"コーチング"とは相手から答えを引き出し、自己決定や自己解決を支持することです。
これは上司と部下が一緒に目標を見つける作業です。
上司の姿勢は、あくまで部下自身が目標(ゴール)を見つけられるように、その道筋へのサポート役に徹することです。
部下は目標(ゴール)を見つけるプロセス段階で、自分の可能性や内発的気付きを得られます。
そしてこれは"上司"と"部下"という上下関係では成り立ちません。
対等な立場であることが求められます。
コーチされる側が少しでも上下関係を悟れば、「上司に気に入られるようなことを言っておこう」という思考が生じてしまいます。
1on1ミーティングとは
"1on1ミーティング"とは、上司が部下の自立的成長をサポートする場です。
1on1は多くの場合、週に1回、最低でも月に1回程度実施され、頻繁に行なわれるものです。
また、1回の面談時間は会社や部署、職種によっても様々ですが「短期間で定期的に実施する」ことがこの1on1のポイントです。
1on1ミーティングの進め方を簡単にご紹介します。
ポイント
1.テーマを決める
部下の主体性を引き出すことが目的となるため、テーマは何でもOKです。
目的はあらかじめ部下に伝えておく必要があります。
今回は「業務改善」をテーマに考えていきます。
2.事前準備を行う
部下は「業務改善」についてあらかじめ自分の意見を考えておく必要があります。
短時間で行うため、テーマに沿った内容スムーズに話が進むように何を話すか考えておきましょう。
3.1on1を実施
部下が話したい「業務改善案」を聞き出し、部下自身がその課題解決のためには具体的に何をすればいいのか、を考えられるように導きます。
具体的にいつまでに、まずは何から始めるかなども考えられるとベストです。
そして上司は定期的に短時間でフィードバックをしっかり行うことが大切です。
4.今後の計画を立てる
1on1後には、テーマとは別に1on1自体の振り返りも行い、次回の1on1につなげましょう。
下記のような考えは間違っています。
- 会社へ忠誠心を植え付ける
- 理論や自分の考え方、流派を押し付ける
- こうなって欲しい方向に誘導
1on1で重要なのは、上司が敵化を手放すことです。
敵化とは
- 私が正しい
- あなた(あなたたち)は間違っている
- 変わるべきはあなた(あなたたち)だ
- 彼(彼女)は敵だ
- あなたは違った考え方をしている
といった考えです。
1on1で上司が必要なマインドセットは下記の5項目です。
- 相手の価値観は何か?
- 何を「鍛える」必要があるのか?
- 敵化したり、コントロールしていないか?
- 私が拘っているのは何か?
- 私はどんなアイデンティティでいるか?
これらは部下の自立的成長のための重要な問いかけになります。
1on1 では質問力も必要です。
部下自身の経験から学び、現在の改善につなげていくようサポートします。
- 過去の出来事を聴く
- そこでの具体的な経験を聴く(何をどのようにしたか)
- なぜその選択をしたのか省察する
- 他にどのような選択肢があったかを検討する
- 経験から得た教訓を引き出す
- 教訓をもとに改善した未来の選択を導く(行動レベル)
そして価値観から行動を引き出していきます。
- ゴールを決める
- 理由を引き出す(価値観)
- 価値観を確かめて応答を得る(YESが出るまで繰り返す)
- 1~3をキーワードで伝え返す
- 価値観を承認する
- 価値観を満たし、ゴールを達成する行動を引き出す
バックトラッキングという技術も駆使しましょう。
これは相手の言葉を正確に繰り返す、自分の解釈を入れないという技術です。
- わたしは、このように受け止めました。
- わたしは、このように受け止めました、これで合っていますか?
- わたしは、このように受け止めました、わたしの理解に付け加えることは他にありますか?
といった技術です。
おわりに
いかがだったでしょうか。
面談,コーチング,1on1すべては信頼関係がある上で成立します。
もし上司と部下の間に信頼関係がなければ部下は上司を忖度するような答えを言ったり、または警戒したりし、良い反応を引き出すことはできません。
信頼関係を築くには普段からどのように部下と接したらよいか知りたい、と思う方はこちらの記事も併せてお読みください!
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キャリアアップ等に対する相談は、職員の年齢や経験認数、役職などによって方法が異なります。
面談・コーチング・1on1を、その職員に合った方法で実施してみてはいかがでしょうか。
補足です。
当ブログサイトは主に、介護施設で必要な"必須研修"について発信しています。
下記の表をご覧ください。
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