みなさんこんにちは。
今回は介護士のキャリアアップを考える上で、最初の疑問である『初任者研修』の受講の可否をお話しします。
資格なし、未経験から始められる介護の仕事。介護福祉士の受験資格にも入っていないし、お金もかかる「初任者研修」は必要なのでしょうか?
また、研修と言えば「難しくないのか」「ついていけるのか」など不安に思うこともあると思いますので、簡単にではありますが、講義の内容にも触れていきます。
結論から言えば、受けているほうが断然いいです。
お金も時間もかかります。
仕事をしながら受けることはかなりしんどいです。
家庭学習もあります。ですが、受けることを強くお勧めします。
理由としましては、
「初任者研修」では、介護の経験や知識のない人でも理解ができる内容で構成されていて「介護の基本」を学ぶことができるからです。
実際、介護の現場で管理職をしていて「初任者研修」(旧ヘルパー2級)を受けてから「実務者研修」を受けたスタッフのほうが、研修が身になっている印象を受けます。
費用についても今後の介護職としての時間を考えると、十分元が取れる内容になっています。
現在、「初任者研修」を受講しようか迷っている読者の皆さん、この記事を読んであなたの決断に少しでもいい影響を与えられたらと思います。
目次
1. 介護士のステップアップの1歩目、初任者研修とは
初任者研修とは
介護の現場で唯一の国家資格である『介護福祉士』を目指すうえで、最初のステップとなるのが「初任者研修」です。
冒頭でもふれたように、「初任者研修」は介護の経験や知識のない人でも理解ができる内容で構成されていて「介護の基本」を学ぶことができる研修になっています。
また、基本的な知識・技術を学ぶことで、現場で「介護福祉士」の指示に従って業務が遂行できることを目的にカリキュラムが組まれています。
「介護」を知るために「基礎」を学ぶ研修と思ってください。
受講資格はなく、だれでも挑戦可能な資格です。
正式名称は『介護職員初任者研修』と言います。ホームヘルパー2級に相当する資格として2013年に誕生しました。
受講時間は130時間に及び、演習などをする実技スクーリング(学校に通う)が90時間必要なのです。
取得には3~4か月(週1回程度の場合)かかります。最短で1か月ぐらいで取得可能ですが、働きながらだときついかもしれません。
全カリキュラム受講後に「筆記試験」があり、試験に合格することで資格取得となります。
試験の内容は、授業の確認でありしっかりと授業に取り組んでいれば難しくはありません。
※もし不合格であった場合でも再挑戦が可能です。
初任者研修の費用について
初任者研修の「費用」ですが、地域やスクールによってばらつきはありますが、5~7万円ぐらいです。
スクールによっては次のステップである「実務者研修」とセットで割引があることもありますので、必ずお問い合わせください。
また、自治体から助成金を受けることができたり、公共職業安定所などから資格を取得できる場合もあるので、お住まいの地域や自治体の制度を確認することをお勧めします。
現在は、介護事業所が取得を推奨していて、受講料を負担してくれる事業所も増えています。面接時に資格取得の援助等について聞いてみてもいいでしょう。
旧ホームヘルパー2級との違いについて
ホームヘルパーの資格は文字通り、ホームヘルパーとして在宅介護を行うことを主としていた資格です。
初任者研修は施設での介護にも対応できるよう内容が変更されました。
ホームヘルパー2級にあった施設実習も初任者研修にはありません。代わりに実技スクーリングで、現場を想定し介護技術を学んでいきます。
修了試験の合格が必要になりました。
ホームヘルパー2級が受講のみで取得が可能だったのに比べると、より介護への理解が求められるようになっています。
2. 初任者研修の講義内容等
講義内容は、教材に沿って講義を聞いたり、受講者同士でワークをしながら進みます。通信や自宅学習を取り入れているスクールがあったりもします。
履修科目は
・職務の理解 6時間
・介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
・介護の基本 6時間
・介護・福祉サービスの理解と医療 9時間
・介護におけるコミュニケーション技術 6時間
・老化の理解 6時間
・認知症の理解 6時間
・障害の理解 3時間
・こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間
・振返り 4時間
・合計 130時間
1. 職務の理解
ここでは介護職の心構えやあるべき姿、介護保険を中心に社会福祉制度の全体像について学びます。
また、介護職の役割として、ケアプランに基づくサービスの提供や他職種連携について学習します。
2. 介護における尊厳の保持・自立支援
介護職が利用者の尊厳を支える仕事である根拠を学びます。
プライバシーの保持・QOL・ノーマライゼーション・虐待防止・自立支援といった介護の基本を学習します。
3. 介護の基本
介護職の職業倫理、事故防止・感染予防・リスクマネジメントなどを学びます。
4. 介護・福祉サービスの理解と医療の連携
他の専門職の役割や地域社会について、介護を必要としている方を取り巻くサービスを理解します。
5. 介護におけるコミュニケーション技術
非言語コミュニケーションや傾聴といった対利用者のコミュニケーション技術を学びます。加えて、記録や報告といった職員間のコミュニケーションについても学んでいきます。
6. 老化の理解
加齢や老化に伴う変化を生理的・社会的・精神的・疾患の視点から学習します。
7. 認知症の理解
認知症に対する基本的な関り方、家族の支援について学習します。
8. 障害の理解
ICFについて基本的な考え方を学びます。
9. こころとからだのしくみと生活支援
事例に基づく演習や移動や食事・排泄など介護技術の基本を学びます。
受講生同士のロールプレイや意見交換などで進んでいきます。
講義の時間も長く、現場で実践に活かせるような介護技術が身につくような内容になっています。
10.振り返り(修了試験)
筆記による修了試験があります。
100点中70点で合格となります。もし、不合格でも再挑戦が可能ですので安心してください。内容も講義の内容の確認ですので気負わず行きましょう。
以上が履修科目になります。
3. 初任者研修を受講したほうがいい理由
・基本が大事
すでに介護のスペシャリスト(介護福祉士)から見ればどちらでもいいかもしれません。
しかし、スペシャリストを目指すうえで「基礎」は大事です。勉強やスポーツも同じなのです。
まさに介護の仕事に就く、スタート地点の資格です。
・次のステップもスムーズに
介護士の次のステップである「実務者研修」という上位資格があります。
「実務者研修」も受験資格はありませんのでいきなり受講も可能ですが、内容がより実践的になり専門性も高くなります。
専門用語も扱う場面が増えますので介護士になって間もない、介護の勉強をするのが初めてという方には少し難しい内容になってしまします。
ですので、「初任者研修」を受講することでより「実務者研修」の内容の理解が深められます。
また、先に「初任者研修」を修了しておけば、「実務者研修」で受講する450時間のうち130時間の履修を免除されます。実技スクーリングも時間の短縮があります。
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・確認・復習にも
「初任者研修」は介護経験が豊富な介護士が取得することも【経験を言語化する】【基礎を復習する】というのに最適です。
最終的に国家資格である「介護福祉士」の取得まで考えている方は「基礎」をしっかりと習得し、国家試験での合格を目指しましょう。
・他の視点からも
介護の仕事から離れても、家庭での介護の場面や高齢者の増え続ける社会で、他のサービス業などに就く場合にも無駄になることはないでしょう。
・就職にも
雇う事業所側からも、未経験者募集と言ってみても、人手不足な状態で1から指導していくのは大変です。基本ができているというだけで就職にも有利に働くでしょう。
職探しの際も訪問ヘルパーなどは資格がないと働けませんし、雇用形態なんかにも幅が出るでしょう。
・受講することで得すること
スクールによっては受講後の就職支援を行ってくれるところもあります。
何も知らずに就職活動をするよりも自分に合った職種や職場に出会える可能性も高くなるでしょう。
私が考えるだけで「初任者研修」を受けるメリットはこんなにたくさんあります。実際に受けたみあなたはもっと恩恵を感じることがあるかもしれません。
4. まとめ
日本は超高齢化社会に突入しています。そして、まだまだこれからも高齢者が増え続けます。
これから需要が増え続ける職種であることは間違いありません。
そんな時代を迎える時に介護職を選んでくださった皆さん。
しっかり「初任者研修」で基礎を学び介護福祉士までのステップを考えてみませんか?
皆さんが「初任者研修」とは何かを知って、受講の可否を決めていただけると嬉しいです。
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