こんにちは、すきマッチです。
介護施設は1年間で行わなければいけない"必須研修"が多いです。
介護サービスの種類によって研修内容は若干変わります。
今回はそのうちの一つ「倫理及び法令遵守に関する研修」についてです。
毎日忙しく働いていていると、倫理について考える暇もありませんよね。
そもそも倫理って何なのか…
介護に倫理って必要なのか…
これらをわかりやすく解説します。
コピーだけして研修で使っていただいてもOKですw
それでは早速行きましょう。
目次
介護に倫理は必要?
「介護の現場に倫理的問題があるなんて知らなかった…。」
「私たちは每日、一生懸命介護しているんだからそれでいいと思う。」
こんな職員は多いかもしれませんね。
ではご利用者が、職員の意図とは違う行動をとったり、または職員が「ムカッ」とする言動をしたときはどのように対応しますか?
倫理をあまり意識していない職員は「経験と専門技術と直観で対処している」かもしれません。
でもそれに慣れすぎていて、倫理観を意識していなければなければ、知らない間にご利用者に対して不利益な状況に追い込んでしまう可能性があります。
では、一度じっくりと立ち止まってご一緒に"介護の倫理"について考えていきましょう。
介護倫理と生命倫理
倫理について過去から少し振り返ってみます。
1960年代になって、他者の命を尊重しない多くの医療や研究に関する問題が顕在化してきました。
そこで、「生命とは?」「よく生きるとは何か?」ということをともに考えていこうという動きがあり、生命倫理(bioethics)という新しい学問が誕生しました。
生命倫理には医学だけでなく、看護学・倫理字・法学・公共政策など多くの專門家が、それぞれの専門領域を超えて協働して考えるアプローチが必要でした。
特に高齢者ケアにおいては,"生""病""老""死"にかかわる倫理的問題は避けて通ることができません。
認知症に伴う意思決定能力低下と自己決定の問題、終末期の延命治療と看取りの問題など、これから考えていかなければならない倫理的問題も多くあります。
医学の領域では、ヒポクラテス的“医の倫理”というものがあります。
そして再度この倫理に疑問が投げられ、議論されています。
そしてその後は、看護の領域にも生命倫理は浸透してきました。
これからの時代は、どんどん介護の領域にも“介護倫理”として根づき発展していきます。
生命倫理のかかわる領域:
生:生殖補助医療、妊娠中絶、遺伝子診断、クローン、ES細胞、再生医療など
病:治療方針の決定、人工呼吸器、研究倫理、緩和医療、医療過誤訴訟、患者の権利、医師と患者の関係、 治療の中止・差控えなど
老:認知症、終末期医療、ケア・看取り、虐待 など
死:脳死、臓器移植、延命治療、安楽死など
介護における"倫理的ジレンマ"と"倫理的気づき"
介護を受ける高齢者の数が増加し、介護の領域は医療・看護の領域と並んで、地域包括ケアシステムにおいてたいへん重要な位置を占めてきています。
それにもかかわらず介護に関する倫理的問題は,、その重要性がいまだ十分に認識されているとはいえません。
日常ケアに関するいろいろな問題は、介護技術上の問題だけでなく,倫理的問題をも含んでいます。
しかし、時間に追われた日常ケア'の現場においては、「何が倫理的問題か?」という視点が忘れさられがちです。
たとえば日常的に遭遇する認知症高齢者の"徘徊 "をあげると、これは単に介護技術における問題だけでなく、本人がしたい行動を制限されることと、
介護スタッフの不足との間に倫理的ジレンマを見出すことになります。
ケアに関するある問題をありふれた当然の業務とみなすのか、あるいは熟慮に値する倫理的な側面をもっているとみなすのか、という視点の問題です。
これらは実際、介護スタッフによって対応が大きく異なります。
技術上の問題だけでなく,倫理的問題として考慮すると,さらに的確な視点で問題をとらえることができます。
日常ケアにおける倫理的ジレンマに对し敏感になり、「何が倫理的問題なのか」という倫理的気づきethical sensitivityをもつことが非常に重要です。
自立と自律、パーソン・センタード・ケア
介護倫理には、高齢者の尊厳に配慮したケア、すなわち、“自立を支援すること’’と‘‘自律を尊重すること’’が大切です。
自立とは、「自分でできることは自分でする」ということです。
自律とは、「自己決定ができる」「自分のことを自分で決めることができる」ということです。
"その人らしさ"" 本人本位" と表現されているパーソンセンタードケアが、認知症高齢者のケアにおいて注目されてます。
パーソン・センタード・ケアは、認知症の方が「何を必要としているのか」「何を求めているのか」といった「心理的ニーズ」を理解することが重要になります。
「心理的ニーズ」を理解する上で「一人の人間として無条件に尊重されること」を中心にし、
- 「共にあること」
- 「くつろぎ」
- 「自分らしさ」
- 「結びつき」
- 「たずさわること」
という6つのことが重要であると考えられています。
認知症の方が「自分らしくありたい」「結びつきを持ちたい」など、自ら意思を明確に発することは難しいかもしれません。
しかし、「なぜできないのか」「どうしてこちらの意にそぐわない言動があらわれるのか」を支援する側が理解し、相手の求めている「ニーズ」を理解することが、認知症ケアを行う上でも、パーソン・センタード・ケアを実践する上でも重要となります。
このように自立を支援すること、自己決定(自律)を支援することがパーソンセンタードケアの実践に大切であり、かつ倫理的視点にもかなうことになります。
※引用書:ケースから学ぶ 高齢者ケアにおける介護倫理第2班
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おわりに
いかがだったでしょうか。
今回お伝えしたのは倫理研修における"序論"の部分です。
今後シリーズ化し、倫理にわかりやすくお伝えしていきます。
私はこのブログサイトを通して介護施設で必要な"必須研修"について発信しています。
下記の表をご覧ください。
それぞれの研修についてブログを作成しています(※作成中の記事あり)
もし興味があればこちらから覗いてみてください。
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