こんにちは、すきマッチです。
昨今、訪問看護における理学療法士等の訪問(訪問看護Ⅰ5)は、看護業務の一環であることが強調され、
理学療法士等は看護職員の代わりであることを利用者等に説明し、同意を得なければサービスが提供できなくなりました。
簡単に言うと「看護師の代わりであることを念押し」されました。
理学療法士・作業療法士のプロとして、自己研磨に励み、患者さんのニーズにこたえようと奮闘してきたあなたはこれを聞き、がっかりしませんでしたか?
しかし、調べていけばそれは仕方のないことだったんです。
では、順に「訪問看護からのリハビリ」と「訪問リハビリテーション」がどう違うかをPT目線で説明していきます。
そして冒頭に記載した「どう仕方ないのか?」についても記載していきます。
目次
訪問看護からのリハビリの実態
一部の訪問看護では従業員の80%以上が理学療法士などという実態があります。
そのような事業所では看護師の勤務が少ないため「緊急時訪問看護加算」や「特別管理加算」の届け出はごくわずかで、24時間対応や重度者対応に極めて消極的です。
厚生省が進めたい方針とは逆を行っています。
また、理学療法士などの配置割合が大きくなるにつれ「要支援者に対するリハビリ」の割合が増え、さらに「理学療法士のみで訪問し、看護師によるアセスメントのための訪問は基本的に行わない」というケースもあるとのことです。
このような実態に厚労省が怒ったんでしょうね。
厚労省としては、重度の要介護者を施設ではなく在宅で診ていきたいので、訪問看護を増やし地域包括ケアを促進していきたいと考えています。
厚労省は、実質的な訪問リハビリテーションになってしまうような法の抜け道を塞ぎ,「訪問看護」は本来の目的に沿った事業運営を促したいのではないでしょうか。
訪問看護からのリハビリ(訪問理学療法)
訪問看護はあくまで「訪問看護」であって,訪問リハビリテーションではありません。
訪問看護ステーションによる理学療法士等の訪問には加算がなく、訪問リハビリテーションには加算があります。
それも当然、あくまでも訪問看護は看護がメインの業務に事業だからです。
繰り返しになりますが、訪問看護からのリハビリは、看護師の代わりに理学療法士等が訪問することです。
ただ「看護師よりも専門家である理学療法士等に訪問してもらった方がよいだろう」という感じです。
訪問リハビリテーションには回数制限があります。それは週6回(20分で1回の計算)までです。
1日40分間で訪問看護(リハビリ)を行なった場合、週3日までとなります。
1日60分間訪問なら週2日まで(減算あり)となります。
それと比べ、当然ですが看護師による訪問看護は回数制限がありません。
そして、改正ごとに訪問PTの単位数は減少され、先の改正では302→296となりました。
いかがでしょう?!ここまで読んでいただくと訪問看護からのリハビリは今後もどんどん厳しくなっていく気がしませんか。
訪問看護ステーションで働いた感想
実は私自身訪問看護からのリハビリをしていました。
その時から私は、訪問による理学療法はハンズオフ(hands-off)こそが重要ではないかと考えています。
ハンズオンによる介入ももちろん重要です。
それなくして進まないこともあります。
しかし、訪問でできるリハビリなど週に1,2回。あとはどれだけクライアントが自分でリハビリをするかが重要です。
ハンズオンによるリハビリは、セラピストに依存するクライアントになってしまいます。
いかにハンズオンをハンズオフにしていくかが重要だと思っています。
目標設定の段階で「セラピストへの依存」があって達成できる目標などないと考えています。
しかし、もともと目標を明確に持っているクライアントはほとんどいません。
その中でクライアントの潜在的な目標を探り、ニーズを引き出していく。
そして、主体的に目標達成へ向けてクライアントに取り組んでいただけるように導くことこそが訪問PTの専門性ではないかと考えています。
しかし、担当した方は重度な方が多く(訪問看護だと当然)、マッサージやストレッチのみ希望する方が多かったんです。
経営者視点に立てば、クライアントの要望に応えないといけないですし、その中でも専門性を出していくことが本当の専門家かもしれません。
しかし一番引っかかったのが、卒業がないことです。
ほぼ寝たきりで、指示が入らず、ひたすらマッサージやストレッチを延々と続けていかないようなクライアントもいました。
幸い私の勤めていた事業所の管理者(看護師)は私の意見を聞いてくれ、訪問PTの在り方など一緒に考えてくれました。
「理学療法士は基本動作のプロであって、マッサージだけなら訪問マッサージに依頼すべき」など言った記憶があります。
しかし私のような例は少ないと思います。
経営者視点では、そんなきれいごとを言っているわけにはいきません。
「何言ってんの?」「勉強不足なだけでしょ?」で終わるのが普通です。
訪問リハビリが必要ではないクライアント、本当は訪問ではなくデイサービスなどに行くことが重要な方、いわゆる「マッサージ」のみを
求めてくる方、等の訪問依頼にも従い行かなければなりません。
実際働いてみた感想としては、
「訪問看護ステーション」からの訪問PTは重度のクライアントで、より看護師との情報交換が必要になってくるという印象。
「訪問リハビリテーション」からの訪問PTは、退院後のクライアントで、ドクターとの情報交換が必要になってくるという印象です。
どちら勤務するにも、必要とされている業務内容を考え、自分がどうしたかによって勤務する場所を考えないといけないと思いました。
おわりに
訪問看護というのは、看護師が長年「努力」して勝ち取った開業権です。
理学療法士80%以上従事している会社、訪問看護ステーションの理念に反するような軽度者(要支援)の訪問ばかり行くような会社に対して看護師がだまっているはずがありません。
もし逆の立場だったらそうですよね?!
もしそのようなことがしたいのであれば「訪問看護」という枠組みですべきではないです。
看護はあくまで看護です。他人の土俵で仕事をするのではなく、私たちの未来は私たちの努力で切りひらくべきだと考えます。
厚労省の資料で訪問看護について詳しく書かれたサイトをのせておきますので興味のある方はこちらをご覧ください。
近年、保険制度の改正ごとに訪問PTの本体報酬の引き下げが生じ、それは業界全体のマイナス査定を意味しており,訪問リハの有効性を疑問視れつつあることを意味します。
理学療法士は今後さらに治療効果を上げる、クライアントに寄り添う、他職種との連携など、私たちでしかできないことをやっていく必要と思います。
そしてエビデンスを確立し、行政に訴えていくような活動をしなければこの流れは止まりません。
理学療法士も理学療法連盟を設立しています。しかしその連盟の存在自体知らないセラピストが多くいます。
他団体と比べその意識レベルそのものが違い過ぎます。私は今後連盟が発展していくよう協力していきたいと考えています。
あなたが、もし訪問看護での理学療法に疑問を感じているのなら、訪問リハビリステーションに勤めたら良いと思います。
逆もしかり。
最後に、「自分のキャリアをもう一度考え直してみよう」とお考えの方向けに、転職についてのリンクを貼っておきますので、興味がある方はどうぞご覧ください。
介護・医療系専門職は転職サイトを使いましょう【短時間で労力を使わずよい転職先が見つかる理由を解説】
この記事を読んでいただき、今後の理学療法士キャリアに少しでもお役立ていただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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