介護職なら説明できる！なぜ認知症の方を否定してはいけないのか。【認知症の方の視点から解説します】

こんにちは、すきマッチです。

今回は、なぜ認知症の方を否定してはいけないのか、について解説していきます。

介護に携わる方の常識として、認知症の方を否定してはいけない。という共通の認識がありますが、それをなぜだめなのかをしっかり説明できますか？

また、この常識はすべての認知症の方に当てはめることができるのでしょうか？

知っているようではっきり説明ができない方は、是非この記事で学んでください。

介護職の初歩としての記事ですので、できる限り簡単に解説させていただいています。

なぜ認知症の方を否定してはいけないのか。

ずばり、認知症の方は認知症の方の世界に生きているからです。

私たちは過去の記憶や周りの状況、未来の展望など色々な物事から共通の世界を生きていると言えます。

また、相手の話していることから状況を汲み取り想像してイメージを共有することができます。

私たちは何気なく行なっていることですが、実は脳ではすごく高度なことが行われています。

下の記事でも解説していますが、認知症とは認知機能の低下により日常生活に影響が出ている状況のことを言います。

上記に挙げたような脳の働きが正常に機能していない状況と言えます。

次の章では、認知症の方の世界について説明していきます。

認知症の方の世界とは

前の章で解説したように、認知症の方は脳になんらかの障害を持っており正常に機能していません。

障害の度合いは人それぞれであり、個人差があるのであなたがイメージするご利用者に当てはめて考えていただけるとイメージしやすいでしょう。

認知症の方は、脳の障害により

• 今いる場所や人の名前がわからない
• 季節や日にちがわからない
• すぐに忘れてしまう
• 情緒が不安定
• 判断力の低下、判断の時間がかかる

などなど様々な影響がある状態です。

脳の機能障害の中核症状は下記の記事を参考にしてください。

例えば、今いる場所がわからなくなってしまった場合あなたはなにを考えるでしょうか？

とにかく不安ですよね。これが全てです。

人によっては取り繕い、どこか似ている知っている場所だと思うかもしれません。

それが実際の場所と違う場合に、違いますよ。と否定されるとさらに不安が増してしまいますよね。

認知症の方の心理として、場所がわからない場合

• 場所がわからなくて不安
• 周りにおかしいと思われたくない
• でもわからない、〇〇に似ている
• 間違っていたらどうしよう
• どうして私はこうなったのか

簡単に表すとこんな感じです。

場所がわからない場合と、症状が進み場所を思い込んでいる場合があります。

場所がわからない場合は上記のように不安が増幅していきます。その状態の方に援助者であるあなたが否定する、間違いを指摘することはさらに不安を増幅することになります。

場所を思い込んでいる場合は、否定されることで混乱してしまい、これもまた不安や恐怖と言う感情が出てきてしまいます。

このように認知症の方を否定すると言うことは不安を増幅してしまうのです。

そして、認知症の方は不安から自身で足りない情報を補完することが多々あります。

その補完された世界が認知症の方の世界であり、私たちの生きている世界とは違って当たり前なのです。

認知症の方が必死に順応しようとした結果が「認知症の方の世界」です。これが認知症の方を否定してはいけない理由です。

認知症の方の世界の対応方法

では、認知症の方の世界を否定せずにどうすればいいのかを解説していきます。

これは言葉で言うのは簡単です。

受け入れるのです。

否定せず、受け入れることで不安感を減らすことができます。

しかし、全てを受け入れていてはどうしようもない状況になってしまうことがあります。

例えば、デイサービスを仕事場だと思っているご利用者に仕事場として話を合わせ続けるとどこかで無理がきます。

この場合は、受け入れながら興味のあることや違う話題に話を逸らしていくことが重要です。

これができないとせっかく受け入れて安心してもらうことができているのに、不安が再燃してしまいます。

こればっかりはご利用者のことを知り、あなた自身も経験を積み対応していくしかありません。

ご利用者の世界を知るには、ご利用者を知らなければなりません。

今のご利用者だけでなく、過去や家族、昔の仕事や生活歴など知れば知るほどご利用者の世界を理解することができます。

認知症のケアには正解もありませんが失敗もないのです。

あなたの目の前のご利用者にとって1番のケアは、1番近くにいるあなたたちしか提供できない！試行錯誤しながら最適なケアを見つけることで、あなたもご利用者も幸せな時間を過ごすことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

記事で書いたように認知症の方は、不安から都合のいいように世界を作っています。

その世界をあなたも共有してイメージして受け入れる。

すぐにはできないことですが、時間をかけていいケアを見つけることで認知症の進行を緩やかにすることができます。

是非、一緒にいいケアを見つけていきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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