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令和3年度介護報酬改定における通所介護の加算取得【加算取れ】

令和3年度介護報酬改定における通所介護の加算取得【加算取れ】

こんにちは、すきマッチです。

 

令和3年度介護報酬改定において通所介護(デイサービス)に関係のある部分を重点的に解説していきたいと思います。

 

今回は加算の動きが激しく、算定要件が緩和されたり、難易度が上がった加算があるので自施設の資源を見ながら賢く加算の算定をすることが必須になります。

 

また、0.7%のプラス改正はあくまで財政中立です。

 

財政中立とは、プラスになる加算の財源は「既存の報酬から」ということです。

 

つまり、なにもしなければマイナス改定と同じで事業所に入ってくる報酬は下がります。

 

しっかりと要件を読み、加算を算定していきましょう。

 

たまに、加算を取ると利用料が増えて利用者の負担が増えるという声を聞きますが、ありえません。

 

加算で増えた報酬で専門職が増えて、専門性が上がるはずです。

 

しかし、加算を算定するだけでなくご利用者にとって加算を払う価値のあるサービスを提供しなければならないのも事実です。

 

加算の算定要件や計画書の策定は最低条件です。そこをクリアして加算をサービスに落とし込んでいきましょう。

 

管理者はもちろん、生活相談員や介護職の方にもぜひ理解してもらいたいです。

 

この記事は基本的に第199回介護給付費分科会資料の資料を引用しています。

 

リンクを貼っていますので、資料として活用してください。

 

令和3年度介護報酬改正の概要はこちら

 

 

目次から気になる項目にジャンプできます。

 

※個別機能訓練加算Ⅱについて、月毎に20単位のところ、日単位20単位として記載しておりました。訂正しております。申し訳ございません。

 

感染症や災害への対応力強化【BCPの作成】

 

今回の改定の特徴の一つです。

 

昨今、災害や感染症により影響を受けやすい高齢者の生活が脅かされています。

 

日頃からの備えとして、BCP(事業継続計画)の作成は必須になります。

 

作成にあたってのガイドラインは下記の厚生労働省ホームページを参考にしてください。

 

介護事業所等向けの新型コロナウイルス感染症対策等まとめページ|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/taisakumatome_13635.html

 

BCPの作成とあわせて、研修やシミュレーション等の訓練も必須です。

 

また、訓練の実施には地域住民の参加・連携が必須です。

 

作成するだけではなく、訓練と改善を繰り返して有事の時にしっかりと機能するようにしておきたいですね。

 

地域住民の参加については、デイサービスが地域連携拠点機能になる視点から「きっかけ」としてとらえることもできるでしょう。

 

地域密着型のデイサービスでは、運営推進会議等での呼びかけ、訓練の実施につなげると取り組みやすのではないでしょうか。

 

とっかかりは苦労するでしょうが、地域の方々とのつながりを意識して実現していきましょう。

 

重要なのが、実施記録や議事録をしっかり残すことです。

 

災害時・感染症まん延時の特例

災害時・感染症まん延時の特例

これも昨今の災害やコロナの影響からうまれた特例ですが、今後の災害のときなどにも有効になるようです。

 

このような特例から、今後災害時等にこれ以上の支援はないと考える方がいいかもしれません。

 

よって安定して運営していくには、5%以上の利益率を維持していくことが求められます。

 

内容は、

 

・事業所規模区分が前年実績ではなく、災害時の影響(5%以上減)を受けた月の実績を基礎にすることが可能+基本報酬3%加算(3か月間、最大6か月間)

※都道府県知事への届け出が必要

 

・現在のコロナ禍の影響は4月より即時的に実施可能

 

通所介護の場合

 

「同一規模区分内で減少した場合の加算」

利用者減の月の実績が、前年度の平均延べ利用者数等から5%以上減少している場合に、基本報酬の3%の加算を算定可能

 

「規模区分の変更の特例」

利用者減がある場合、前年度の平均延べ利用者数ではなく、利用者減の月の実績を基礎とし、

大規模型Ⅰは通常規模型

大規模型Ⅱは大規模型Ⅰ

を算定可能。

 

※どちらも算定が可能の場合は、後者を適用する

 

分かりにく過ぎる・・・

 

つまり、

ポイント

・延べ利用者数が前年に比べて5%以上減少していれば基本報酬の3%の加算が可能である

・大規模型以上は利用者減のある場合、「前年度の実績との比較ではなく」、「実際の利用者減の月の延べ人数」で規模区分を1つ変更できる

・両方共の条件を満たす大規模型事業所は規模変更を適応する

ということです。

 

※規模別延べ利用者数は

通常規模型 ~750人以下

大規模型Ⅰ 751~900人以下

大規模型Ⅱ 901人以上

 

無資格者の認知症介護基礎研修義務化

無資格者の認知症介護基礎研修義務化

介護にかかわるすべての者の認知症対応力を向上させていくため、介護に直接携わる職員が認知症介護基礎研修を受講するための措置を義務づける。【省令改正】

※3年の経過措置期間を設ける

 

全サービス対象で、無資格所がいない訪問系サービス(訪問入浴介護を除く)、福祉用具貸与、居宅介護支援を除く。

 

認知症についての理解の下、本人主体の介護を行い、認知症の人の尊厳の保証を実現していく観点から、介護にかかわるすべての者の認知症対応力を向上させていくため、介護サービス事業者に、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さないものについて、認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講ずることを義務づける。

※3年の経過措置期間を設ける。新入職員の受講について1年の猶予期間を設ける

 

ということです。

 

要は無資格のまま、認知症の対応をしてはいけなくなるわけです。

 

Eラーニングでの受講が可能ですし、1日で終わる研修です。

 

新人スタッフの不安も軽減されるでしょうし、かなりいい取組だと思います。

 

3年の経過措置と言わずにすぐにでも受講を勧めてほしいと思います。

 

個別機能訓練加算ⅠⅡ

個別機能訓練加算ⅠⅡ

 

ここからが加算の話になります。しっかりと理解してください。

 

これまでの機能訓練指導員の常勤専従の要件が廃止となりました。

 

配置状況に応じて加算を算定できるようになります。

 

ポイント

算定要件

配置時間の定めなしで専従1名以上

個別機能訓練加算Ⅰ(イ) 56単位/日

上記の専従者とは別にサービス提供時間を通じて専従1名以上配置

個別機能訓練加算Ⅰ(ロ) 85単位/日

CHASE(LIFE)にデータ提供

個別機能訓練加算Ⅱ    20単位/月

 

これは現行でⅠⅡともに算定している60%弱の事業所はやることだけが増えて単位数は減る結果に…

 

算定要件的には個別機能訓練加算Ⅰ(イ)が現在の個別機能訓練加算Ⅱと同じ人員配置で単位数も同じ、目標設定が個別Ⅰの身体機能の向上が追加されることに。

 

Ⅱの(ロ)は常勤専従を1名配置して29単位しかもらえないことに。両方算定している事業所は17単位/日の減算です。

 

これだけで10万以上の減収・・・

 

CHASEへのデータ提出は、政府の進めようとする「自立支援」と「科学的介護」を考えると当然の流れですね。

 

問題はどの程度の作業量になるか…

 

合わせて85単位/日。(現在ⅠとⅡで102単位)

 

Ⅱを算定して20単位/月。

 

配置は常勤専従1名。現在より減らせますが、実際減らすことは困難…

 

デイサービス必須級の加算のわりに渋い結果になりました。

 

当然、計画書・居宅訪問・モニタリングは必須であります。

 

アセスメントは他職種必要で、心身機能と生活状況を見る必要がある。

 

参考

・機能訓練指導員が共同で訓練計画を策定しなければならない

・訓練内容は利用者の身体機能および生活機能の向上

・訓練内容は複数の内容が必要(利用者が選択できる・心身の状況に基づいて)

・生活意欲が増進されるように援助する

・3ヶ月に1回以上の居宅訪問で生活状況の確認

・家族に対して訓練計画の進捗状況の説明が必要

・必要に応じて訓練計画の見直しが必要

・CHASE(LIFE)へのデータ提出と活用(個別Ⅱ)

デイサービスに求める「自立支援」と「生活機能の向上」には理学療法士が必須であると考えるので、機能訓練指導員の常勤専従は理学療法士を配置したいところです。

 

また、小規模程配置する人件費が捻出しづらいので、配置基準の緩和はいい事だと思います。

 

生活機能向上連携加算

生活機能向上連携加算

生活機能向上連携加算②

 

外部のリハを実施している機関の医師・PT・OT・STに助言をもらうことで算定要件を満たすことが出来ます。

 

これは外部の医療機関に収益は入らず、連携のメリットがなく算定は難しい部分もあります。

 

通所リハや訪問リハから利用につながる際に連携することを心がけるといいでしょう。

 

ポイント

算定要件

訪問リハ・通所リハ・リハ実施の医療機関の医師・PT・OT・STに助言をもらう

※医療機関は200床以下又は当該病院を中心に半径4キロ以内に診療所が存在しないものに限る

(Ⅰ)はICT活用での助言 100単位/月

3ヶ月に1回を限度に算定可能

(Ⅱ)は訪問の上、共同で計画策定 200単位/月

「個別機能訓練加算」を算定している事業所は、(Ⅰ)の算定はできない

(Ⅱ)は半分の100単位/月となる

 

参考

算定の留意点

・PT等とデイ機能訓練指導員が共同で評価と計画策定をする

・3か月ごとに評価と見直し

・本人または家族に計画の進捗状況を説明

・算定は3ヶ月に1度

・個別機能訓練加算を算定している事業所は(Ⅰ)のICT活用の実での算定はできない

 

外部リハ機関との連携、機能訓練指導員が訪問する時間をうまく機能させる必要があります。

 

カンファレンスの時や個別機能訓練加算の居宅訪問の時などに上手く取り入れることが出来れば。

 

入浴介助加算

入浴介助加算

 

1番気になるところではないでしょうか。

 

従来のただお風呂に入ってもらう、という姿勢では入浴介助加算(Ⅰ)となり40単位/回で10単位も減算してしまいます。

 

しかし、入浴介助加算(Ⅱ)の算定要件は厳しいのも事実です。それなのに55単位/回で現在より5単位しか増えない。

 

とりあえず算定要件を

 

ポイント

算定要件

入浴介助加算(Ⅰ) 40単位/回

今まで通りの入浴介助

入浴介助加算(Ⅱ) 55単位/回

自宅での入浴困難な方のみが対象

自宅で入れるように福祉用具などの活用を助言しなければならない

有資格者による居宅訪問が必須

大浴場は不可、個浴で居宅入浴を想定した計画が必要

 

これは大変なことになりました。

 

自宅での入浴をイメージすると大浴場での入浴介助がだめ?ってなると、施設に併設のデイサービスのほとんどはアウトになってしまうのでは!?

 

ご利用者の安全のためにバリアフリーの設備が多く、浴槽を埋めて跨ぐ必要をなくしている施設などはハード面の改修が必要になる施設も出てくるでしょう。

 

そこまでやって5単位しか増えない・・・

 

国は10単位の減算を狙っているとしか思えないです。

 

さらに自宅で入浴が出来るように働きかける、設備等の助言が必要。

 

頑張って自宅での入浴が無理なら計画を作成してようやく5単位・・・

 

入浴目的のご利用者に「採算が合わないから」と今まで通りの入浴を抑制する動きをすれば利用者の減少にもつながる可能性が高い。

 

入浴介助加算(Ⅱ)のご利用者を増やせば、自宅で入浴が困難レベルのご利用者で介助量が増え、事務作業量が増え、スタッフの負担も増える。なのに5単位・・・

 

更に言わしてもらうと、誰が「自宅で入浴する」という判断をするのか。

 

その結果の責任はどうなるのか。(自宅の浴槽で転倒や転落といった事故が起きた場合)

 

CMやご利用者側に単位が安くなるから、作業量が増えるからと、(Ⅰ)ばかりで提案される可能性もないとも言えません。

 

時間がたてば40単位という数字も「普通」の感覚になってしまうでしょう。

 

デイサービスにとって大きな課題となる改定だと感じます。

 

早急に事業所としての方針を決めるべきですね。

 

私の事業所でも検討中です。また、詳細が決まれば記事にしたいと思います。

 

口腔・栄養スクリーニング加算

口腔・栄養スクリーニング加算

 

口腔・栄養スクリーニング加算②

 

加算の単位数自体はあがりましたが、費用対効果が薄く色々と苦労する加算になります。

 

解説する気も低いので今回は資料のみで。

 

口腔機能向上加算ⅠⅡ

 

現行の口腔機能向上加算がⅠになり、CHASE(LIFE)にデータを提供・活用することで(Ⅱ)になり10単位増の160単位(月2回まで)となります。

 

一応算定要件を載せておきます。

 

ポイント

算定要件

ST・歯科衛生士・看護職員を1名以上配置

利用者の口腔機能を利用開始時に把握

多職種で共同して指導計画を作成

3か月までが基本だが、延長は可能

月2回までの算定

CHASEにデータ提供・活用(Ⅱ)

 

人員配置は時間の縛りはないので、看護師を指導員として配置すれば算定は可能です。

 

※口腔機能向上加算を算定する場合、口腔・栄養スクリーニング加算の算定はできません。

 

科学的介護推進体制加算

 

科学的介護推進体制加算

科学的介護推進体制加算②

 

これはいずれ義務化になると思われるのですべての事業所が算定を意識しましょう。

 

個別機能訓練加算や口腔機能向上加算を算定しているならほぼ自動的に算定要件を満たすことになります。

 

注意点としては、計画策定時にLIFEのフィードバック活用の記録を残すこと。

 

事務作業効率化の観点からLIFEと連携する電子システムの導入は必須でしょう。

 

データ提出の加算を算定していない事業所は提出項目に評価のできる機能訓練指導員が必要になります。

 

ADL維持等加算

 

ADL維持等加算

ADL維持等加算

 

単位数が10倍になり算定する意義が少し出てきました。ぜひ算定しましょう。

 

10倍と言っても元が訳の分からないぐらい低いので

 

(Ⅰ)が3→30単位/月

(Ⅱ)が6→60単位/月

 

になります。

 

ポイント

算定要件

6か月以上利用の利用者が10名以上

利用者全員に利用開始時と翌月から6か月後においてバーセルインデックスを適切に評価できるものがADL値を測定し、測定した日が属する月ごとに厚生労働省に提出している

(6か月後のBI値-初月BI値)×介護度別加重調整値=利用者毎のADL利得を(α)として

Aの上位10%と下位10%を除く利用者の(α)の平均値が1以上(Ⅰ)

平均値が2以上で(Ⅱ)の算定が可能

 

大幅に緩和されて算定もしやすくなっています。

 

5時間以上のルールが廃止になり、短時間デイでも算定可能になりました。

 

また、要介護3以上15%ルール、初回認定割合ルールが廃止になりました。

 

BIをLIFEに提出なので個別機能訓練加算の評価・アセスメントとして取り入れるのもいいかもしれません。

 

うちはアセスメントでBIを使用しているのでそのまま提出すると算定できそうです。

 

中重度ケア加算

ここは変更なし。

 

現行通り、要介護3以上の利用者が30%以上(要支援は計算に含まない)。

 

延べ利用者数でも総利用者数でも可能。

 

実績は、前年度でも算定前の3か月どちらでも可能。

 

これもほぼ必須級の加算になります。

 

特定処遇改善加算

特定処遇改善加算

 

かなり算定しやすくなりました。

 

とりあえずリーダー級の介護職の昇給をほかの介護職よりも1円でもおおくすればいいだけです。

 

処遇改善加算Ⅰを算定している事業所はほぼタダで昇給ができます。

 

周りの事業所との給与比較でも優位に立てますので算定必須です。

 

特定処遇を算定できるかで、採用状況に大きな差が出ることは間違いないです。

 

サービス提供体制強化加算

 

サービス提供体制強化加算

 

従来のサービス提供体制強化加算に上位区分がうまれました。

 

介護福祉士の割合70%以上で22単位です。

 

介護福祉士の囲い込みが起こりそうな予感ですね。

 

さらに常勤換算が週30時間以上に緩和されました。

 

産休育休中の常勤職員を非常勤で雇っていても常勤扱いでの換算が可能になりました。

 

区分支給限度基準額

区分支給限度基準額

同一建物減算を算定している事業所は、減算前の単位数で区分支給限度基準額の計算を行わなければならなくなりました。

 

大きな法人の囲い込みへのけん制でしょう。

 

規模別報酬も大規模事業所は通常規模の単位数で区分支給限度基準額の計算を行わなければならなくなりました。

 

この辺りは見逃していたでは済まない項目です。しっかりと理解しておきましょう。

 

介護職員処遇改善加算

介護職員処遇改善加算

 

下位2区分の廃止が決まりました。

 

さっさと上位区分を算定して介護職員の処遇を改善しろ。ということでしょう。

 

まとめ

少し長くなりましたが、必須級で覚えておかなければならない事ばかりです。

 

難しい部分もありますので、コメントを頂くとできる限りの解説もさせていただきます。

 

一緒に制度を理解して適正運営をしていきましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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