こんにちは、すきマッチです。
今回は介護士なら1度は聞いたことのある「パーソンセンタードケア」について解説していきたいと思います。
あなたはパーソンセンタードケアを説明できますか?
パーソンセンタードケアは認知症をウリにしている事業所の強みになります。
ケアの統一が実現できます。
多くの介護現場で考え方のベースになっており、共有がしやすくなります。
また、中途採用スタッフや新人スタッフに教育がしやすくなります。
こんなメリットしかない「パーソンセンタードケア」を解説していきます。
目次
パーソンセンタードケアとは
勘違いしやすいのが、「利用者(入居者)」をセンターに据えた考え方がパーソンセンタードケアではないということです。
それでは、パーソンセンタードケアとは何なのか簡単に説明します。
パーソンとは、認知症の人とその方に携わるすべての人を指します。
センタードとは、アセスメントや交流の中から知りえた情報を中心にすること。
ケアは、共有した情報をもとにケアの方法を決めてともに行うことです。
つまり、「認知症」を持つ人ではなく、認知症を持つ「人」だという考え方です。
認知症に着目するのではなく、その人に着目します。
同じ人はいませんよね。生い立ち、性格、生活歴、嗜好、健康状態などなど様々な要素がその人を形成しています。
ちなみにパーソンセンタードケアを提唱したのは、イギリスのトム・キッドウッド教授です。
認知症高齢者へのコミュニケーションや人間関係を重視した考え方や取り組みを精神療法の権威であるカール・ロジャースが強調する誠実なふれあいやコミュニケーションの方法の「パーソンセンタード」という言葉を意図的にそのまま引用したものです。
なぜパーソンセンタードケアなのか?
パーソンセンタードケアが必要な理由は3つあります。
まず一つ目が認知症ケアをブランド化する。
あなたの事業所に認知症の利用者はいますか?
日本全国どこの事業所にも認知症の利用者がいるはずです。
その認知症の利用者に対するケアに自信をもっている事業所がいくつあるでしょうか。
認知症ケアを事業所(法人)のブランドにする力があるのがパーソンセンタードケアです。
二つ目がケアの統一をしやすくなります。
認知症の「人」を見ることでケアの「根拠」が統一しやすくなります。
根拠とは「理由」です。
〇〇さんは□□だからこういったケアをしよう。といった感じです。
うまくいかなくても共通認識で「どんな人」かわかっているので、次のケアの方法を考えることもスムーズです。
ケアを統一するメリットは利用者への好影響はもちろん、新人教育にも大いに役立ちます。
最後に三つ目は、共通認識が生まれます。
二つ目と被るところはありますが、自施設の現場以外にもどこの介護施設でも考え方のベースになっています。
利用者がかわっても考え方が同じなので、共通認識しやすく、ケアの統一の再現性が高くなります。
これらの理由からパーソンセンタードケアを導入しない理由はありません。
パーソンセンタードケアにおける認知症の状態
パーソンセンタードケアを提唱したトム教授曰く、認知症の状態は5つの要素が影響しあっていると話しています。
次の項目がその5つです。
ポイント
①脳神経障害
②性格傾向、気質、能力、対処スタイル
③生活歴
④健康状態、感覚機能(視力、聴力など)
⑤その人をめぐる社会心理的状況(社会とのかかわり、相互作用)
脳神経障害である認知症を持つ人を見る必要があると言っています。
認知症というひとくくりに見るのではなく、代表的な原因疾患4つ「アルツハイマー型」「レビー小体型」「脳血管性」「前頭側頭型」に加えそれらの混合型、また珍しい認知症の原因疾患も含め同じ症状、障害はないということです。
人を見る場合も②~⑤に着目し、同じ人はいないということです。
これに合わせてトム教授は4つの教えを説いています。
①認知症を持つ人を、社会の完全な一員として、尊重し大切にしなければならない
②認知症を持つ人の人生歴、性格、心身の健康、社会資源が脳神経障害に対する反応に影響を与える
③認知症持つ人の行動には心理的な妥当性があり、共感を持ち理解しようとすること自体が治療的な可能性がある
④認知症を持つ人を含め、すべての人の生活は人間関係に基づいている
すべて当たり前に聞こえることですが、改めて言葉として読み、見たときに「そのとおりだな」と感じる教えですね。
4つとも私たちにそのまま当てはまります。
認知症の人も私たち健康な人たちと変わらない人間であり、「脳神経障害」があるだけで「なにも変わらない」ということです。
認知症の方の5つの心理的ニーズ
パーソンセンタードケアでは、認知症の方には主に5つの心理的ニーズがあるという考え方があります。
ポイント
①くつろぎ
②自分らしさ
③こだわり
④自ら携わること
⑤社会とのかかわり
解説すると
①緊張感がなくリラックスしている状態→スタッフとソファーでゆったりとしている
②自分らしさは、今までの制圧で培ってきたものやライフスタイルを指します。
③こだわりや愛着、その人ごとに持っている価値観。
④人間はいくつになってもできることはやりたい。一方的にスタッフにしてもらうだけでは気が済まない。
⑤人は繋がりをもって生きていたいということです。認知症だから言ってもわからないというのはNG。本人の話し合いの中心には本人がいるべきなのです。
これもまた、私たちと変わりませんよね。
認知症の方のニーズは私たちと身近な感覚の中にあります。
ケアに困ったら、自分だったらどうだろう?と考えてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
パーソンセンタードケアの基本をまとめてみました。
まとめで言えることは認知症の方も私たちと変わらない。
「人」を見ることでニーズやケアの方法が見えてくる。ということです。
認知症ケアは難しいイメージを持たれている方も「私ならどうしてほしい」と考えると意外と簡単になるかもしれません。
もう1ランクを上げると「〇〇さんならどうしてほしいだろう」と認知症の「人」になった気持ちで考えてみてください。
そこが認知症ケアの入り口であり、パーソンセンタードケアの入り口になると思います。
次の記事は、認知症ケアを提供する側の心構えについて解説します。
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