こんにちは、すきマッチです。
介護施設の必須研修の1つである【倫理及び法令遵守に関する研修の資料】の資料を公開します。
今回は、事例からコンプライアンスを考えていく、といった内容です。
かなり具体的に作っていますので、そのまま事業所内研修の資料としてこのまま使っていただいても結構です。
このサイトでは介護施設の必須研修の資料を無料で公開しています。
もし興味のある方はこちらからご覧ください。毎年できていますか?介護施設の法定研修一覧【これで処遇改善加算の算定はOK】
それでは早速見ていきましょう。
目次
事例紹介:利用者さんの仮装姿をSNSに投稿
まず、以下の事例をご覧ください。
デイサービスではよくあるクリスマスパーティー。
職員も利用者さんも、カツラなど仮装用品を付けて大盛り上がり。
実務者研修修了者の介護士のMさんは、認知症の女性利用者に「Oさんもカツラかぶってみてよ」と言って、女子高生のカツラをかぶせました。
Oさんは嫌がり振り払おうとしましたが、Mさんが「まーまー」と言いながら無理矢理その手を押さえて「Oさんかわいい」と言い、他の職員が写真をとりました。
Mさんはこの写真を自分のインスタグラムに、「認知症のおばあちゃん、おにかわ!」と書き込み写真を投稿。
その後、偶然この投稿を発見した娘さんさんが、「これは個人情報の漏えいではないのか」と抗議し、施設側はそれに対して謝罪しインスタの投稿はすぐに削除されました。
さらに娘さんから「すべての写真を見せてほしい」との申し出があり、確認すると、嫌がるOさんの手を押さえている写真を発見し、「これは虐待だ!」と市に通報しました。
この不祥事を受け、市からの監査が入り、コンプライアンス管理を徹底するよう厳重な指示・指導が出ました。
ではどのようにコンプライアンス管理をしていくのか、
お伝えしていきます。
そもそもコンプライアンス違反とは何か?
昨今よく耳にする「コンプライアンス」とは。
コンプライアンスという言葉は「遵守する」「守る」という意味の英語です。
「法律(法令)に従う」「約束を守る」など、社会のなかでのルールに従うという意味で使われます。
介護業種でコンプライアンスは通常「法令順守」と訳されますが、その意味は法令を守ることだけではありません。
もっと広く「企業が自主的に企業倫理に沿った企業運営をすること」を意味します。
企業は、社員が企業倫理に反する行為をしないような体制をつくらなければなりません。
ここでの企業倫理とは、企業にとって都合の良いものではなく、社会倫理に沿ったものであることはいうまでもありません。
ですから、法律に違反しなくても企業倫理や社会倫理から外れる行動をすれば、コンプライアンス違反となります。
コンプライアンス違反の種類
コンプライアンス違反を具体的に分類すると、以下の4つになります。
4⇒1の順に厳罰が厳しくなります。
メモ
- 法律に違反する行為:刑法・介護保険法・個人情報保護法などの違反
- 規則や契約に違反する行為:就業規則違反や利用者との契約違反
- 社会的倫理に反する行為:社会人としてのモラルから外れる行為
- 介護の職業倫理に反する行為:不適切なケア
次に職員のMさんがどのようなコンプライアンス違反を犯したかを考えてみます。
Mさんの行為はコンプライアンス違反か?
本事例のMさんの行為は、どこがコンプライアンス違反でしようか?
プライバシ一の侵害:
本人の了解なく、その容姿を撮影した。
暴行罪・傷害罪:
無理矢理Mさんの手を押さえつけた。
個人情報の漏えい:
Mさんの画像を無断でインスタにアップ。
侮辱罪:
「認知症のおぱあちゃん、おにかわ」と書き込み。
就業規則の守秘義務違反:
業務中に撮影した画像を、会社に無断でインスタにアップ。
市が虐待と認定すれば事業所や法人も罰則を受ける可能性がある。
本事例のように、知識のない職員が軽いノリで軽率な行為をしてしまうと、組織にとって重大な結果になることがあります。
Mさん自身もこれだけたくさんの重大な規則違反を犯したので、それ相当の厳罰があるかと思います。
本人にとっても会社にとっても不利益となるため、すべての職員にしっかり教育する必要があります。
ただ「コンプライアンスを守れ!」と言うのではなく、管理者は職員が守るべきコンプライアンスのルールを明確にして示しましょう。
コンプライアンス研修で何を教えればよいのか?
コンプライアンス研修で具体的に教えるべき違反行為は以下の6つです。
ポイント
1,個人情報漏えい:
そもそも個人情報とは何か、漏洩の定義とは何かを整理することが大切です。
また、実際にどういった個人情報漏洩のケースがあったのかも併せて確認しておきましょう。
個人情報の漏洩について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。チェックリストでわかりやすい!医療・介護現場における【プライバシー保護の取り組みに関する研修資料】
2,ハラスメント行為:
R3年度から、会社はハラスメントマニュアルを作成し就業規則などに盛り込むとともに、研修や相談窓口の設置が必要です。
詳しくはこちら記事をご覧ください。【医療/介護施設のパワーハラスメント対策・研修】会社を守るために対策・研修は必須です。
3,不適切なケア:
高齢者虐待の前段階として、「不適切なケア」が存在します。配慮が不足した関わりはすべて「不適切なケア」と呼ばれます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。わかりやすい!介護施設必須研修の一つ【高齢者虐待防止研修】これだけ読めば研修資料が作成できます。
4,虐待行為:
高齢者虐待防止法で定義される虐待行為のほとんどが刑法の犯罪に該当します。
どんなことが虐待に当たるのか、管理職は職員に徹底して教えておく必要があります。
虐待の種類については別の記事に詳しく記載しているので、こちらの記事もご覧ください。ここだけは抑えておきたい!高齢者虐待の種類について【介護施設必須研修の一つ"高齢者虐待防止研修"の資料】
5,身体拘束:
「身体拘束」とは"こちら側(介助者側)の都合で、相手の自由を奪い、動きを封じ込めること"です。
緊急やむを得ない場合を除き、介護保険法上で禁止されています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。わかりやすい!介護施設必須研修の一つ「身体拘束の排除の為の取り組みに関する研修」【このまま研修資料としてもOKです】
6,ル-ル違反による事故:
介護マニュアルの安全ルールに違反して危険な介助を行い、その結果重大事故を起こせば、業務上過失致死罪として裁かれることもります。
そのようなケースを防ぐために「ヒヤリハット」を周知・徹底しておくことが重要です。
ヒヤリハットについては、こちらの記事をご覧ください。わかりやすい!介護現場のヒヤリハットについて徹底解説【事故発生または再発防止に関する研修資料】
おわりに
いかがだったでしょうか。
コンブライアンス管理のボイントは以下の通りです。
ポイント
- まずは管理職がコンプライアンスの意味を理解する
- コンプライアンスのルールを明確にし、その罰則を周知徹底する
- 具体事例を挙ながらを研修する
不祥事が起きたとき「教わっていませんでした」となれば、管理者の責任を問われてしまいます。
定期的な研修を通して「やってはいけないこと」を教えていかなければなりません。
また我々にとっては「は常識」ということが、若い職員にとってはそうでないこともあります。
その辺の認識の違いも正していきましょう。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
介護事業所の法定研修
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