こんにちは、すきマッチです。
先日以下のようなツイートをしました。
最近のデイはトレーニングマシンを置いているところが多い。リハビリやマシンの知識を持つ介護職が増えるのは喜ばしいこと。でもご利用者から「この歳で筋トレして意味あるんですか?」という問いに何人の介護職が答えられるだろうか。それを知っているだけでご利用者との関り方が数段上がる。#介護
— せがわ課長 |介護施設系管理職の知識と苦労を共有する| (@sukimatchi) June 11, 2021
最近の介護施設ではトレーニングマシンを置いているところが多くなりましたよね。
マシンを置いている施設で働かれるか方は、ご利用者から必ず1度は聞かれる質問がこれ。
「この歳で筋トレして意味あるんですか?」
この記事を最後まで読んでいただくと自信をもって返答できるようになると思います!
高齢者の筋力がアップするメカニズム
結論からお伝えすると、何歳になってもある程度きついトレーニングをすると筋肉は太くなり筋力はUPします。
でも実のところ、高齢者はそんなきついトレーニングはできません。
理由は簡単で、強い負荷は高齢者にはたいへんリスクが高いからです。
強い負荷をかけると血圧も上がり、心疾患や脳血管疾患を誘発しやすくなります。
また筋肉や腱などのケガもしやすくなります。
強い負荷は高齢者にはおススメしません。
では、軽い負荷での筋トレは効果がないのでしょうか、というとそんなことはありません。
人は筋肉を動かすとき、「動かすぞ」という信号が神経から筋肉に伝達がされます。
筋トレによってこの神経から筋肉への伝達が活発になり筋力はアップします。
では少し専門的にお伝えします。
途中で読むのが疲れた方は次の項目まで読み飛ばしてしまっても大丈夫です。
例えば、
何か物を取ろうとしたとします。
ポイント
①まず脳から「腕を動かすぞ」と信号が出ます。
②信号は脊髄神経(背骨の中を通っている太い神経)を伝って末梢神経(細い神経)に伝達します。※実際には間に神経細胞を経由しますが。
③そして末梢神経から筋肉に伝達され腕が動きます。
中枢神経と末梢神経をのわかりやすい画像をのせます(※画像はこちらから引用させていただきました)
末梢神経から筋肉に伝達される時、1本の抹消神経からさらに枝にわかれいくつかの筋線維(筋肉は細い筋線維の集合体です)につながっています。
そして、複数の末梢神経からの伝達で筋肉は収縮します。
普段から運動などをせず負荷の少ない状態が続くと、枝分かれした抹消神経のほとんどが眠っている状態になり、いざ働かそうとしても働きません。
高齢者の多くは、最小限の決まりきった生活をしているため、大きな力を出すための抹消神経や、普段以上のバランスをとるための抹消神経が働きにくくなっていて筋力低下やバランス低下を生じている可能性が高いのです。
その結果、転倒し骨折し寝たきりなどにつながっていくわけです。
筋肉についてわかりやすく説明している記事も書いていますので、興味がある方はこちらの記事も読んでみてください。
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参考介護士初心者へお伝えします。【筋肉の知識と、高齢者リハビリへの応用】
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高齢者の筋力に対する"理学療法士など専門職の視点"
"普段から運動をしていない高齢者の末梢神経は眠ったままで働いていない"ことを説明してきました。
働いていない抹消神経が多いということは、その分働いていない筋肉(正確には筋線維)があるということです。
その結果、筋肉は細くなり弱まります。
手足が細い高齢者はこのようにして、筋肉がやせた状態になってしまっている可能性があります。
しかし、筋肉が細いからどうしようもない、というわけではありません。
運動やリハビリを頑張ることにより末梢神経の伝達が活発になり、筋肉が細くても筋力が強くバランス力もある方もいます。
理学療法士などの専門職は筋肉太さよりも、末梢神経の伝達を意識したアプローチをしています。
トレーニングマシンを使用するときの指導として、
「動作は大きく、低負荷で、ゆっくりと、少し疲れるくらい」と指導しますよね。
それは末梢神経の伝達を活性化させるためのアプローチなんです。
そして"末梢神経の伝達を活性化させるための筋トレ"は、短期間で驚くほどの効果が出ます。
細い筋肉を太くするのは約3か月の強い負荷での筋トレが必要ですが、
"末梢神経の伝達を活性化させるための筋トレ"意識して使わせるだけで働く筋線維の量は大幅に増えるので即時効果が期待できます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
「この歳で筋トレして意味あるんですか?」
ご利用者、ご家族もしくは後輩からこのような質問を受けたときは、自信をもって「ありますよ」と言い、
その根拠もお伝えできるようになりましたよね。
他にも高齢者に役立つ体操を具体的に書いたブログをのせていますので合わせて読んでいただけると嬉しいです。
介護士になり立ての方へお伝えします【理学療法士が解説。転倒の知識と予防体操】
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CHECK
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