こんにちは、すきマッチです。
介護施設は1年間で行わなければいけない"必須研修"が多いです。
事業所の介護サービスの種類によって研修内容は若干変わります。
詳しく確認したい方はこちらをご覧ください。
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必須研修のうちの一つ「感染症・食中毒の予防及び蔓延防止に関する研修」をシリーズ化してお伝えします。
初回は"感染予防マニュアル"についてです。
このままコピーして研修で使っていただいてもOKですw
では早速いきましょう。
感染と感染症
まずは「感染」とは何なのか、「感染症」とは何なのか、をお伝えします。
「感染」とは、何らかの微生物(病原体)が体内(臓器や組織)に侵入した状態をいいます。
しかし、侵入した微生物全てが病気として発病するわけではなく、体の抵抗力によってその大部分は一時的に体内から追い出されるか、あるいは病気を起こさず定着(保菌状態)します。
この保菌状態ではその微生物はその人に何の害も及ぼしません。
そして「感染症」とは、感染が原因で何らかの症状(せき、発熱、下痢など)を起こしている状態を指し、治療が必要な状態をいいます。
感染症が成立するのは、病原菌が人の抵抗力よりも強くなった場合です。
よってご利用者が感染疾患を持っていたとしても、介護職員が皆感染するわけではありませんし、予防することも可能です。
また、人は抵抗力を持っていますので、感染を受けてもすべてが発病するわけではありません。
介護の現場に臨む場合は、正しい知識と技術を持つことが必要です。
感染予防について
感染予防のためには感染経路を遮断することが必要ですが、感染経路の遮断とは、
- 感染源(病原体)を持ち込まないこと
- 感染源(病原体)を広げないこと
- 感染源(病原体)を持ち出さないこと
です。
そのためには下記の内容を実施してください。
ケア前後の手洗いうがい
感染予防において最もシンプルでかつ最も重要なことは、ケア前後の手洗いとうがいです。
ゴム手袋を着用した場合でも、ケア後はしっかり手洗いを実施しましょう。
本人の血液や体液(唾液、鼻汁、痰など)、傷からの分泌液、あるいは便や尿は感染源になりやすいので、感染症の有無に関係なく、これらが付着した場合はすぐに石鹸と流水でよく手洗いしてください。
手洗い
手のひら・甲には常在菌(大腸菌など)や、他の付着菌も生存しています。
手洗いは感染を予防するための最も基本的で重要な手技です。
清潔管理の基本は手洗いにつきます。
私たちの手は、1日の間に非常に多くのものを触れたり、様々な作業を行っており、手を媒介として、目では見ることのできない有害な微生物や菌を運搬してしまうことになります。
介護職員として大切なことは、感染予防を意識した適切な手洗いを行うことであり、その結果として、感染予防につながる非常に大切な手段となります。
手洗いが必要な時:
- 訪問先に到着したとき、帰るとき
- 身体的ケア(身体の清潔や排泄のお世話など)の前後
- 傷口に触れる場合の前後
- 吸引機器等に触れる場合の前後
※血液や体液(唾液・鼻汁・痰など)傷からの分泌液に触れた場合や尿・便に触れた場合は、ただちに厳重に手洗いを行いましょう。
準備:
- 爪は短く切る
- 腕時計・指輪は外す(指輪を外せない場合はずらして洗う)
- マニキュアは透明が望ましい(汚れが見えにくい)
手洗いは流水と石けんで30秒かけて行います。
洗面器ではなく流水で洗うのが基本です。
手洗いミスをしやすい部位を知り、ミスをしやすい部位を意識して洗うことが大事です。
洗い残しをしやすいところは図の赤い部分です。
画像引用サイト:看護roo
これらの個所をしっかり洗うように心がけましょう。
手が汚れたらすぐに消毒ではなく、まずは手洗いからです。
速乾性刷り込み式手打ち手指消毒薬を用いる場合もしっかり手洗いをしないと消毒薬の効果は低くなります。
手洗いの手順:
- 手首の上5cmくらいまで十分に両手を濡らす
- 洗浄剤を手のひらにとり、または石鹸をつけて泡立てる
- 両手のひらをよくこする
- 手の甲と横もよくこする
- 指先を手のひらにこすりつけて入念に洗う
- 指の間もよく洗う
- 手のひらで親指を包みこみ、ねじるように洗う
- 手首も忘れずに洗う
手洗い後も重要です。
手洗いをした後は手を十分に乾かしましょう。
手を乾燥させるためには、同じタオルで頻回に拭くのではなく、衛生的にもペーパータオルを使用することが望ましいです。
手洗いした後、手を自分の首よりも上に持ち上げると無意識に髪や鼻などへ手が触れていることがあります。
髪や鼻には菌がたくさん付着していますので、これではせっかくの手洗いの意味がありません。
また乾燥した冬季などでは、水作業で手荒れを生じやすく、その結果小さな傷ができて、それが感染の原因となることがあるので、ハンドクリームなどで手荒れを防ぐことも大事な感染予防対策です。
うがい
口は病原体が入る入口です。
うがいは食事による食べかすなどの除去や口の中を洗浄する効果を持ち、病原体が口の中に定着することを防ぎ、確実にばい菌を減らす効果があります。
うがいが必要な時:
- 勤務終了時に手洗いとともにうがいの実施
- 咳のひどい人、気管切開をしていて痰の多い人のケアをした時に、手洗いとともにうがいの実施
- MRSAの方のケア後に手洗いとともにうがいの実施
- 自分に感冒(かぜ)症状のある時にはうがいを励行し、マスクをする
感冒やインフルエンザウイルスの流行期にはうがいを励行し、職員がウイルスを利用者宅に持ち込まないようにしましょう。
うがいの実施:
- 約60mlの水を用意し、うがいを3回に分けて使用
- 1回目:口に含んで少し強めにうがいをする
- 2,3回目:のどの奥まで届くように上を向いて15秒間うがいをする
うがい薬にはイソジンガーグル液などがありますが、使い過ぎはかえって口の中も正常な菌まで殺してしまいますので、1日数回にとどめた方がよいでしょう。
液は15~30倍に薄めて使います。
人権の尊重
感染症についての知識を深め万全な対策を講じることは、ご利用者と自分自身を感染から守るため大事な心構えです。
しかし感染症をもつご利用者と家族の心を傷つけないように配慮することは介護職として必須です。
感染症のために特別な扱いを受けていないという「差別感」や「不安感」を抱かせないよう、不必要な防御や過剰な対策は意味がありませんので、必要最小限の適切な方法で接し、必要に応じた説明と心配り・気配りを忘れてはいけません。
また、感染症に関わる情報は、ご利用者の私生活や個人情報に関係するものがあるため、介護職員は職業倫理に基づいて、業務上知りえた情報についてはプライバシー保護の観点から、業務に関与しないものには不用意に情報を漏らさないという守秘義務を徹底する責任があります。
※注意
個人情報保護の責任はありますが、ご利用者の感染に関する情報については必ず上司に報告して、介護チーム全員が周知する必要があります。
また、感染者への対応については、主治医やケアマネージャーとの連携が必須になりますので、「困ったな」と思ったら上司に報告し、対応を相談してもらいましょう。
その他感染予防基本テクニック
手袋
感染予防のポイントは「感染の可能性のあるものには直接素手で触れない」ことです。
感染の可能性があるものに触れる場合は、ディスポーサブルの手袋を使用します。
着用が必要な時:
- 血液や体液(唾液・鼻汁・痰など)、傷からの分泌物に触れるとき、あるいは触れる可能性がある場合
- 感染症、特に疥癬の場合は、身体に触れるケア時に着用(その他感染症については血液や体液に触れるときに着用)
着用時の注意事項:
- 一度使った手袋は必ず捨てる。次の人には使わない!
- 手袋をしたままでまわりの物を触らない
- 長時間使用して汗をかいたり、清拭時のお湯で手袋の中が湿ってきたら交換する
- はずすときは、外側の汚れた方を内側にひっくり返す
自分の手に手荒れや傷がある場合は、感染から身を守るために手袋を着用しましょう。
また、手袋使用後も必ず手洗いをしましょう。
マスク
新型コロナウイルスが流行している昨今では、医療・介護現場でマスク着用は必須です。
マスクはウイルス等の飛沫や結核などの飛沫核が、鼻腔・口腔から侵入するのを防ぐため、また、介護者の鼻腔・口腔から排出される飛沫などを飛散させないために着用します。
新型コロナウイルス感染予防以外にも、
- 肺結核
- 風邪
- インフルエンザ
などの感染予防にもなります。
気管支や肺に病気があり、咳や痰の激しい人に接する場合は特に気を付けましょう。
またケアする側が、風邪やインフルエンザなどで咳が出る場合は、相手に移さないためにマスク着用が必要です。
着用時の注意事項:
- 綿製のものは最近を通すので、使い捨てもディスポーザブル紙マスクを使用する
- 結核の場合は、結核マスク(N95)が適している
- マスク着用時は口のみではなく、口と鼻を覆って使用しないと効果がない
- 着用したマスクを触らないようにする
エプロン
感染の可能性のあるもの(血液や体液、傷口からの分泌液)に、直接介護者の体が触れるのを防ぐことを目的とし、また、介護者の衣服に付着した感染源を持ち歩かないためにもガウンの着用は有効です。
着用が必要な時:
- 感染症の人に身体的ケアを行う場合で、本人の血液や体液(唾液・鼻汁・痰など)、傷口から分泌液、および排せつ物が自分の身体が触れたり、飛び散る可能性がある場合
- 感染症がない方についても、本人の血液や体液、および排泄物が自分の身体が触れたり、飛び散る可能性がある場合
感染予防として使用するエプロンは、長袖で膝下まで覆うものが適しています。
また、素材について、布製は病原体が染み通る場合があるのでナイロン製のディスポーザブルエプロンが適しています。
使用後はビニール袋に入れて袋の口を結び捨ててください。
着脱について:
【着用時】
手洗い後、エプロンに両腕を通し、首の後ろでひもを結びます。手は清潔であるので、できるだけエプロンの表側の胸と腹の部分に触れないように気を付けましょう。
また紐を結ぶ時にも髪の毛に触れないように注意します。
【脱衣時】左右は入れ替わってもかまいません。
- 首の紐を解きます
- 右手指を左の袖口に手首側から差し入れて袖口を持ち引っ張りながら、左袖を引き抜きます。
- 右袖の中にわき腹から左手を入れ、右手で両袖口を持ったまま裏返すように腕を引き抜きます。
- エプロンの外側同士が合わさるように(右袖の中に左袖が入るように)脱ぎます。
- エプロンの表側は触れず、両肩の縫い目を合わせて、自分の身体より離して紐を結び、フックにかけます。
【ユニフォームとして着用する場合】
- 衛生に心がけ、洗濯されたしわのない清潔な普通エプロンを着用しましょう。
- 感染症がない場合は、普通に取り扱って問題ありません。
おわりに
いかがだったでしょうか。
毎年行われる研修は作成するのも一苦労ですよね。
毎年同じ内容では職員も飽きてしまいます…。
このブログが研修資料作成にすこしでもお役立てできれば幸いです。
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