こんにちは、すきマッチです。
このシリーズでは、新人介護士さんに向けてケアの基本中の基本を解説していきます。
新人さんはもちろん、指導的な立場の方も指導の参考にしていただけると思います。
「食事」「口腔ケア」「更衣・入浴」「排泄」「コミュニケーション」「レクリエーション」「体操」「役割化」の8種類です。
最初の第3弾は、「排泄ケア」です。 今回はデイサービスのお話として、おむつ交換ではなくリハビリパンツレベルのお話になります。
排泄ケアは、ご利用者の羞恥心や清潔に大きく影響します。
また、職員は正しい知識を持ち、さりげなくすばやく対処することが求められます。
目次
排泄ケアで気をつけること
排泄ケアで気をつけることは、大きく2つに分けられます。
「ご利用者への配慮」と「スタッフの知識と技術」です。
排泄ケアは、とてもデリケートなことです。
誰でも、他人に下の世話をしてもらいたいとは思わないでしょう。また、他人の排泄ケアをしたいとも思わないでしょう。
「すばやく」「さりげなく」を意識して対応してください。
ご利用者への配慮
まずは、排泄ケアに限りませんが「声かけ」と「許可取り」は必須です。
デリケートな部分を見て触れるわけですから、しっかりと行ってください。
反応の薄い方、認知症の方も関係ありません。全員に行ってください。
排泄ケアといっても様々なシュチエーションが考えられるでしょう。
失禁にトイレで気づいたのか、自席やレクリエーションなどなにかをしていて気づいたのか。
ご利用者に自覚があるのかないのか。
女性か男性か。
など、たくさんのシュチエーションが考えられます。
まず配慮すべきは、周りの人に悟られないことです。
大きな声でトイレに誘導したり、交換用のパットを求めることのないようにしてください。
自覚の有無も注意してください。
自覚のある場合は、できるだけ少数のスタッフで対応します。
自覚がない場合は、スタッフが臭いに気づくか時間で誘導しているご利用者でしょう。
認知症の方が多いです。トイレに行ってもらえる声掛けをしましょう。
「そろそろ○○(昼食)の時間です。その前にトイレを済ませましょう」
と自然な誘導をしたり、「便所」や「かわや」というように表現を変えてみるのも有効です。
排泄かケアはできるだけ同性で行ってください。
介護の現場は女性が多く、男性のご利用者は女性スタッフが対応することも多いと思いますが、できることなら同性介助がいいです。
スタッフの知識と技術
まず、手袋の着用は原則です。
失禁をしていなくても着用することをお勧めします。
これは、汚いとか汚くないではなく、あなた自身を守るためです。
排泄物は、感染の原因にもなります。必ず手袋を着用してください。
手袋を外して捨てるときは、裏返して外し、後にはずした手袋にもう片方の手袋を包んで捨てましょう。
できればゴーグルの着用もお勧めします。
続いて、パット交換で済む、尿失禁の場合でも、陰部の清拭を行ってください。
子供を育てた経験のある方はわかると思ういますが、尿を拭かずにいると肌が荒れてしまいます。
特にご高齢の方は、肌が弱くなっているので注意してあげてください。
大便時は、自分で拭くことができない場合はスタッフが清拭を行い、拭ける方でも確認ができればしてください。
ご利用者は、お尻をうまく拭けない方が多いです。
もちろん声掛けを行い、許可取りは必須です。
技術に関しては、先輩スタッフに教えてもらい場数を踏むしかありません。
細かい技術も大切ですが、できる限りすばやく、可能な限り清潔な状態にすることを意識してください。
排泄ケア(明日から使える技術)
リハビリパンツをすばやく交換する方法
便座に座って、リハビリパンツを交換するときは、リハビリパンツの両サイドを破って捨てます。
新しいパンツをはくときは、片方のズボンだけ脱いで交換することで時間短縮ができます。
ズボンが床に付かない配慮が必要です。
リハビリパンツはサイドを下から破ると破りやすくなっています。
①片方のズボンを脱ぐ(片側麻痺の方は健側(動くほう)のズボンを脱ぐ)
②ズボンをはいている側にリハビリパンツを通す
③もう片方の足にリハビリパンツを通す
④ズボンも通して完成
大便時の対応
大便をされたご利用者のお尻を拭くときに、立ってもらった状態で拭くこともあると思いますが、前屈みになれる方は座った状態で拭くことができます。
便座の少し前に座ってもらうことで手を入れやすくなります。
泥状便で拭き取りにくい場合は、温水洗浄を使用しながら吹くことも可能です。
立って拭くときと違い、お尻を拡げる必要がないので羞恥心が少なくすみます。
パットをうまく着用する方法
リハビリパンツをあげたときに、パットが丸まってしまうことはありませんか?
立位が不安定な場合や介助が必要な場合には特に、すばやく上げてしまい丸まることが多いと思います。
再度立ってもらうことになり、ご利用者の負担が増えることになります。
注意してほしいのが、パットを引っ張ることはNGです。
パットが破れることはもちろんですが、高齢者の皮膚は薄く傷をつけたり、最悪裂けてしまう恐れがあります。
特に男性は、陰部があらぬ方を向いてしまい、パットから尿が漏れてしまうこともあります。
うまくパットを着用する方法は、パットのお尻側に余裕を持たせてはみ出るようにセットすることです。
このままでは、上げた時に丸まってしまいます。
このように少しお尻側に出します。
上げる直前はこんな感じです。パットの端とリハビリパンツを持って上げましょう。
こうすることで、後ろ側をあげるときにパットが収まるように持ち上げ、前側を上げるときにパットの位置を確認、調節しながら上げることができます。
排泄ケア(困ったとき)
パットを替えたがらないご利用者への対応
ご利用者様の中には、パットの交換を「もったいない」としてくれない方がいらっしゃいます。
そんな時は、パットを設置し「ご自由にお取りください」とメモを添えてみてください。
毎回尿漏れ程度に汚してしまい、「まだ使える」という方はパットのサイズを替えるのが有効です。
これも大きなパットをこれぐらいの汚れで交換するのはもったいない、という思いからきているので、おりものシートなどを使用することで解決できます。
失禁がある方の場合は使えません。
そもそも、パットを替えなければならない理由をスタッフが理解をして説明できるようにしておきましょう。
肌が荒れることはもちろんですが、「尿路感染症」という病気になったら大変です。伝えられるようにしておきましょう。
トイレの場所がわからない方がいる
トイレの場所がわかるようにイラストや文字で認識できるようにしましょう。
特定のご利用者の場合は、その方の家のトイレの表記や雰囲気を近づけることも有効です。
排泄がなかなかできない方に
時間誘導する必要のあるご利用者や認知症でトイレという認識がしにくい場合は、なかなか排泄できないこともあります。
その場合は、水が流れる音やトイレットペーパーを巻き取る音を聞いてもらう、仙骨部(お尻の割れ目のすぐ上の部分)をさすることで尿意や便意を刺激することができます。
試してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
排泄ケアは「すばやく」「さりげなく」が大切です。
今回ご紹介させていただいたテクニックや知識を使って、排泄ケアのプロになりましょう。
ご利用者から指名をされるような存在になることで信頼関係を築くこともできます。
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
前回の記事「口腔ケア」はこちら
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