こんにちは、すきマッチです。
先日こんなツイートをしました。
"同一労働同一賃金"には非正規社員への説明が必要になった。例えば賞与は「何の対価として支払うのか」「常勤・非常勤でどんな理由で額が異なるのか」などを明確にする必要があります。これでだいぶブラック介護事業所が減ると思う…。#介護
— せがわ課長 |介護施設系管理職の知識と苦労を共有する| (@sukimatchi) May 28, 2021
あなたの職場では"同一労働同一賃金"への対応はしっかりされていますか?
今回は国の働き方改革の一環として進められている"同一労働同一賃金"についてお伝えします。
この法律は正規職員と非正規職員の雇用の間で給与や福利厚生などの不合理な待遇差を改善する目的があります。
そして医療・介護業界では2021年4月から中小事業者も対象になりました。
違反した際の罰則はありませんが、改善がなければ、不合理な待遇を受けた労働者から損害賠償を請求される可能性もあるので対応は不可欠です。
それではあなたの職場は大丈夫かどうかを念頭におきながら、読み進めてみてください。
手当や福利厚生を見返す
厚労省が公表している「同一労働同一賃金ガイドライン」は参考になります。
興味がある方はこちらをどうぞ※厚労省告知第430号
ここでは同一労働同一賃金の考え方がまとめられています。
他にも、基本給や賞与、手当、福利厚生などについても記載されています。
しかしこのガイドラインは一般企業での対応も想定した内容で、医療法人や介護事業者にはわかりにくい部分も少なくありません。
そこであなたの職場の就業規則の"常勤と非常勤に設けている待遇規定の対比"をしてみましょう。
その上で待遇の差について合理的な説明があるかどうか見てみて、説明ができない場合はかなりマズいです。
そして最もわかりやすのが"各種手当"です。
例えば同じ「介護福祉士によるケア」いう仕事内容では、常勤・非常勤の違いに関係なく同手当の支払いが求められます。
他にも扶養手当や住宅手当はどうでしょう。
夏季休暇や忌引き等の日数はどうでしょう。
扱いに違いはありませんか?!
賞与支給は目的の明確化が必要
賞与についても、非常勤職員に支給する法人が増えてきています。
賞与は「何の対価として支払うのか」「常勤・非常勤でどんな理由で額が異なるのか」などを明確にする必要があります。
例えば責任の度合いなどに応じた賞与制度を構築し、職員の理解を得ることなどが重要です。
賞与のほか退職金などは正規と非正規での待遇差は当然生じます。
その違いについてもしっかりと明記されていますか?!
正社員への登用制度
あなたの職場には正社員への登用制度はありますか?
同一労働同一賃金を成立させるには、非正規職員から正規職員への登用制度は不可欠です。
医療・介護業界では登用制度があれば、非正規でも長年勤めていたり、重要な業務を担う職員に対し正規での勤務を勧められるようになります。
まだまだこの業界はパート職員にも責任のある仕事を押し付ける傾向があります。
その辺をきちんと整備されていないのであれば同一労働同一賃金を実施するのは不可能ですよね。
役割に応じた賃金体系
同一労働同一賃金への対応は、賃金体系全体の見直しが必要になります。
勤務・経験年数・役割に応じた等級制度の整備により合理的な説明ができる賃金テーブルの作成が必須です。
この業界、賃金テーブルのない会社も珍しくありません…。
賃金テーブルは合理的な人事考課(人事評価)をすること成り立つものです。
しかし人事考課がそもそもないんです…。
そもそも賃金テーブルを作成することに否定的な経営層もいます。
「長年勤務すると人件費が上がり経営を圧迫する」
または「適切な評価をされていないというスタッフへの対応が億劫だ」といった理由です。
確かに総額の人件費を増やすのが難しければ、その中で再分配せざるを得ません。
その為にはきちんと評価した上で職員が納得する分配が重要です。
このような経営層はそこにエネルギーを注ぐ余裕や意欲がないのです。
しかし「頑張れば給料が上がる」というのが目に見えない会社では、職員のモチベーションは上がりませんよね。
少し話がズレてしまいました💦
おわりに
いかがだったでしょうか。
もしかしたら「うちの職場ぜんぜんダメだわ…」と思われているかもしれませんね。
もしあなたが役職者なら早急に対応する必要がありますし、
もしあなたが一般社員なら、会社の対応次第で進退を真剣に考える必要も出てくるかもしれませんね。
転職が頭にちらついた方はこちらの記事を参考にしてみてください。
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最後に同一労働同一賃金に関する改正項目を載せておきます。
参考までにどうぞ。
それではこのへんで。
メモ
- 不合理な待遇差の禁止
同一企業内において、正社員と非正規社員の間で、基本給や賞与など、あらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることを禁止。
訴訟の際の判断基準となる「均衡待遇規定」「均等待遇規定」を法律に整備
[均衡待遇とは、「(1)職務内容(2)職務内容・配置の変更の範囲(3)その他の事情―の違いに応じた範囲内で、待遇を決定する必要がある」こと。
均等待遇とは、「(1)職務内容(2)職務内容・配置の変更の範囲―が同じ場合、待遇について同じ取り扱いをする必要がある」こと]
- 労働者に対する、待遇に関する説明義務の強化
非正規社員は、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に説明を求めることができる。
- 行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続きの(行政ADR)整備
※厚生労働省「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」より引用
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