こんにちは、すきマッチです。
今回は、誰でもできる。と言われがちな介護のお仕事が本当に誰でもできてしまうのか。
また、介護のプロ(専門職)と素人と何が違うのか、について解説していきたいと思います。
結論から言うと、介護の仕事は誰にでもできます。しかし、仕事を継続してプロの専門職になっていくことはそれなりの覚悟や学習が必要と言えます。
介護がはじめての新人スタッフのあなた、新人スタッフに指導する立場のあなたに是非読んでいただきたい内容になっています。
目次
介護の仕事は誰にでもできるのか?
冒頭でものべましたが、介護の仕事は誰にでもできます。
子育てと同じで、人間の人生、成長や老いの過程の一部であり、どの人にも、どの家庭にも訪れるものです。
親の介護をしなければならない状況になれば、誰もがやるはずです。
現在はできないところを介護保険のサービスがカバーして、昔よりは家族の介護がしやすい環境になりました。まだまだ介護離職はなくなりませんが・・・。
しかし親の介護は、子供を産むのと違い、「突然親が倒れて親の介護が必要になった」「急に配偶者の介護が・・・」と、突然、思ったより早くその時が訪れることもあるでしょう。
ということは、誰もが「介護」を準備をしておく必要があります。
話が逸れましたが、介護とはそれほど身近なものであり特別なものではありません。
だから、誰でもできる、と私は考えます。
しかし、介護をしてお金をもらう介護職員(プロ・介護職)が誰でもできる、というスタンスではいけないとも思います。
次の章でそのあたりに触れていきましょう。
介護の仕事は「単純労働」?「知識労働」?
突然ですが、介護を含めどの仕事も、労働を「単純労働」「知識労働」に分けることができます。
簡単に説明しますと、「単純労働」とは肉体労働が多く含まれる労働、単純作業や流れ作業のようなものです。
「知識労働」とは専門知識などを使って質や効率を上げていく労働です。介護業界でも言われている「生産性の向上」などは知識労働から生まれます。
あなたはどちらの働き方でしょうか。
答えは、どちらも持ち合わせているし、どちらの労働力にもなれる。ということです。
ある政治家が介護のことを「単純労働」と言って炎上していましたが、介護は単純労働の側面も持ち合わせていると言えばよかったのかな、と思います。
誤解を恐れずに言うと、「排泄介助」「入浴介助」「移動・移乗介助」「コミュニケーション」などある程度回数をこなすことで一定のレベルまで習得できる業務は「単純労働」です。
誰でもある程度までの習得が可能です。
もちろん、うまくオムツを漏れないように当てるテクニックや排泄物の処理の技術、細かな気遣いや利用者に寄り添う気持ちなどを否定するつもりはありません。
このように質を上げていこうとする働き方は、「知識労働」に近いものがあるかもしれません。
そして、介護の仕事ができる、できないと考える方は、下のお世話や入浴介助、認知症ケアなど世間一般的に「汚い」や「きつい」「わけがわからない」と言ったような不安が強い様に感じます。
介護の仕事を始める前に感じる不安は、大部分が「単純労働」の仕事の不安です。
つまり、誰もが時間と回数を重ねれば習得できることで悩んでいます。
他人の排泄介助や入浴介助に抵抗が少ないのであれば、介護輪始める前に悩んでいた悩みはすぐに解消します。
では、介護職の中の「知識労働」とは何でしょうか。
大まかにいうと、「認知症ケア」や「介護過程」のように一定以上の知識が必要なことが該当します。
認知症ケアも介護過程も、正解はなく、ご利用者一人ひとり違う正解を見つけるために必要なツールです。
一般社会で求められる「生産性の向上」や「効率化」とは少し違いますが、ご利用者の生活の質を向上させる、職員の経験値を効率よく上げるイメージでしょうか。
もちろん、認知症ケアや介護過程を習得するとご利用者がプラスの気持ちになり、介護拒否やBPSDの出現が少なくなります。
結果、業務の効率が上がり生産性の向上につながるとも言えます。
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介護職の専門職としての仕事
介護の仕事は、先ほど挙げた「知識労働」だけをしていればいいのではありません。
業務が滞りなく進められるように「単純労働」と呼んだケアも必要です。
単純労働とは言いましたが、流れ作業的に単純作業としてケアをしてはいけません。
日本では、介護の基本的な考え方として次のように定められています。
ポイント
○自立支援
単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを超えて、高齢者の自立を支援する
○ 利用者本位
利用者の選択により、多様な主体から保健医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる
○社会保険方式
給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用する
介護の専門職、プロとして持ち続けてほしい考え方です。
高齢者の自立についての記事です。自立とは、なんでも自分でやってもらうことではありません。
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特に2番目の利用者の選択が大切です。
自分で更衣ができるが時間がかかる、後の外出(社会参加)のために介護を受けて時間と体力を使わない。これもご利用者の選択です。
介護で「自立」の反対は「依存」です。
選択肢を失ったご利用者は、なんでも介護士任せで自分で決められなくなってしまいます。この状態が依存です。
小さなことでも自己選択してもらい、自立を支援しましょう。
食事介助で次に何を食べたいか
次に参加するプログラムは何がいいか(選択肢は少なく)
飲み物は何がいいか
私たちも毎秒毎秒選択の連続です。年をとったらできないなんてことはありません。
さらに、「介護の三原則」を知っていますか。
高齢者福祉が進むデンマークで1982年に提唱された介護の理念です。
ポイント
1.生活の継続性
なるべく生活環境や習慣を変えずに、可能な限り今までと近い暮らしを継続できるようにする。
2.自己決定の尊重
本人が望まない生き方や介護は行わない。
高齢者自身が意思決定をし、周囲はその選択を尊重する。
3.残存能力の活用
身体の残っている機能を最大限活用し、日常生活の動作で本人ができることは何でも自分でやってもらう。
どんなケアにもこの3原則を意識する必要があります。
1.生活の継続性
生活の継続は、在宅なら家庭での生活の状況を知らなければなりません。
施設でも、家で過ごしていた環境や様子を知りセッチングすることが理想です。画一的な部屋に住むことは私たちでも嫌なはずです。
さらに、生活歴や趣味嗜好、考え方や人生観など知れば知るほどご利用者の生活の質は良くなります。
2.自己決定の尊重
先ほども述べた自己選択です。
注意が必要なことは、ご利用者が望まないから、と何でも言う鳥にすることは少し違います。
ご利用者が「知らない」ことがたくさんあります。
知らないなら、知ってもらい選択してもらうことが大切です。
特に医療や介護の専門的な知識を持つご利用者はほとんどいません。
イメージや先入観で「やらない」選択をしてご利用者に不利益にならないように注意しましょう。
3.残存能力の活用
残存能力とは、今持っている身体や脳の機能のことです。
車椅子の方でも、足に力が入るのなら、移乗の時や立ち上がり時にその力を最大限に使いましょう。
認知症の方が出来る事を見極めることも大切です。
身体も脳も、「できないだろう」「こっち(職員)がやったほうが早い」と決めつけて介助することで簡単に機能を奪ってしまいます。
それでも、人手がなく満足なケアができない事もあるでしょう。しかし、すべてやらなくても1つ意識するだけで1か月後3か月後のご利用者の機能は変わります。
介護士として気を付けなければなならないポイントです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
介護のプロとして最低限知っておきたいことをまとめました。
介護の仕事を始めたばかりの方には聞きなれない事もあったかもしれません。
しかし、今後介護のお仕事を続けていくのに必要な知識です。
職場の先輩聞いたり、教科書やインターネットで理解を深めてください。
自分が年をとった、自分の家族が介護を受ける、と考えて、ご自身が提供しているケアを見つめなおすこともお勧めです。
一緒に専門職としての介護士になりましょう!
最後まで読んだいただき、ありがとうございました。
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