こんにちは、すきマッチです。
今回は少し趣向を変えて、デイサービスで入浴拒否があった時の対応を記事にしてみたいと思います。
あくまで私の経験からの話ですので、あなたの職場やご利用者全てに当てはまらないかもしれません。
しかし、入浴拒否は認知症ケアの上で絶対に経験のあることだと思います。
何かのヒントやきっかけになれば嬉しいです。
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目次
入浴拒否の理由を考えてみる
ご利用者が入浴拒否をした場合、どうにか入って欲しい。入ってもらわないと業務が終わらない。と言った職員目線の気持ちが先走っていませんか?
認知症だから拒否がある、と思い込んでいませんか?
まずは、ご利用者が入りたくない理由を探ったり考えてみてください。
認知症の方だからこそ、拒否の理由を知ってから対応する必要があります。
理由を知る方法は、
・ご本人に直接聞く
・ご家族に聞く
・生活歴や性格から分析する
・環境を配慮してみる
・職員で情報共有してみる
ご本人に直接聞く
一番手っ取り早いですが、聞き出せるかは職員次第でしょう。
聞き方って難しいですよね。
単に「なんでお風呂に入ってくれないのですか?」と聞いても答えてくれる確率は高くはないでしょう。
「嫌だから」「ほっといてくれ」と取り付く島もないかもしれません。
誘導する声掛けをしたら教えてくれることもあるかもしれません。しかし、その理由は本当の理由ではないかもしれません。
ご利用者自身が明確な理由なく拒否している場合も考えられます。なんとなく、めんどくさい…みたいな。
ご本人に聞く場合は、入浴と関係のない場面でアセスメントすることがおすすめです。
理由を教えてくれたときは、感謝の気持ちを述べて信頼関係を築くことも忘れないでください。
ご家族に聞く
これも有効な方法です。しかし、聞く場面や方法には注意が必要です。
デイの入浴の時間はお仕事をされていたり、いきなり電話や送迎時に聞かれても答えが見つからない可能性もあります。
これも時間をとってもらい、アセスメントするのがオススメです。
もしくは、契約やカンファレンスの時に「お風呂が好きか」聞いておくのもいいでしょう。好きな場合でも、家でどのようにして入っていたかなど気持ちよく入浴していただく方法が見つかるかもしれません。
生活歴や性格から分析する
これも大切です。認知症の方はうまく言葉にできないことも少なくありません。
普段のご様子から、仮説を立てて対応してみます。
トイレ介助時にも嫌がる様子がある場合は、羞恥心からかもしれません。人にお下を見られるなんて、手伝ってもらうなんて恥ずかしい。と感じているかもしれません。
同性介助で対応したり、周りからの視線が気にならない環境を整えて声かけをしましょう。
他にも、寒がり、めんどくさがり、などの性格から嫌がっておられる場合もあります。
性格の場合は個別性が高いので、普段のご様子を見ないとわかりませんが、性格に合わせた対応をあなた自身が考えてあげてください。
めんどくさがりの方は、「サッと入ってサッと上がりましょう。お手伝いしますよ。」ぐらいの声かけで渋々入ってくれる場合もあるでしょう。
環境を配慮してみる
デイの入浴環境は家と違うことが多いでしょう。
広い脱衣室に広い浴室、他のご利用者と一緒に更衣をしたり、入浴します。それだけなら銭湯や温泉のノリですが、そこに服を着た手伝ってくれる人(職員)がいる。
たぶん、介護を受けるまでこんな環境で入浴をしたことがある人はいないでしょう。
また、施設によっては午前中に入浴することもあるでしょう。
ご利用者によっては、職員のさじ加減で順番に芋洗いされている。と感じているかもしれません。
完璧に今まで通りの入浴に近づけることは無理かもしれませんが、ご利用者はそう言ったこれまでにない環境で入浴をしなければならないことに配慮してあげてください。
個別の対応が必要な方でも、慣れてくれば「ご一緒にいいですか?」と他の方とも入ってくれるようになるかもしれません。
人員や環境に限界はあるのはわかります。あなたの施設のできる限りの配慮で十分でしょう。
職員で共有する
職員で共有するのは、入浴時のご様子はもちろんですが、それぞれの経験や観察して感じたことなどを話し合います。
決まった時間は取らなくても、こんなことがあった、こんなご様子だった。などそれぞれが感じたことを共有してみてください。
あなたの仲間は、あなたと少し違った視点からご利用者を見ているかもしれません。
何かのヒントになるはずです。
入浴時の声かけのポイント
拒否のあるないにかかわらず、入浴時のお声かけは重要です。
よく「お風呂に行きましょう」とか「次お風呂です」みたいにいきなり、しかも入る前提声かけをしていませんか?
提供サービスに入っているとしても、トイレに行ったり入る準備が必要です。
なにか気になっていることがあり、入浴してもいいか誰かに聞こうとしているかもしれません。
理想は、誘導する5分ぐらい前に事前に声をかけること、「次お風呂に入れますが、いかがですか?」とお伺いをたてることが大事です。
同じサービスを提供するにも、気持ちよくお風呂に入ってもらうことを優先しましょう。
次に、目線を合わせていますか?
座ったご利用者に立ったままとか、何かをしながら声かけをしていませんか。
これってとても失礼なことです。ご利用者様は「職員さんは忙しいから」と許してくれるでしょうが、「大切にされている」とは感じません。
こういった細かい配慮も大切です。
拒否があった場合は、時間をおいて。
ある意味で認知症の方の忘れる能力を活かします。
一度拒否をされても、時間を置いて違うアプローチで再チャレンジです。
入浴拒否のある方への声かけ
同意を得る事が一番大切です。
誘導するときは、お風呂に入るということを理解した上で同意を得ましょう。
入浴することが、ポジティブであることを伝えましょう。
「気持ちいいですよ」「あったかいですよ」「温まりますよ」「きれいになりますよ」など、よりいいのはそれが想像できることです。
「広いお風呂にゆっくりと入りましょう。気持ちがいいですよ。」「ゴシゴシお体を洗いましょう。お手伝いします。きれいになるとさっぱりして気持ちがいいですよ。」と言った感じでしょうか。
入浴以外の話から入ってみるのもおすすめです。
世間話やご利用者が興味のある話から自然に入浴をお誘いしてみましょう。
拒否のあった場合は、「では、順番が来たらお声かけしますね。」とちょっと誘導的なお誘いも有効です。
入る前提の声かけになりますが、入浴の声かけに対する拒否から「順番」といったある意味で脅迫的なお誘いは有効です。
入浴拒否のある場合の声かけの注意点
正直これに関しては沢山ありますが、あえて3つにしぼってみます。
私の経験や仲間が声かけをしていて、これはご利用者と職員双方によくないな、と感じたことをあげてみます。
・ウソをつく
・長い時間「説得」する
・強引に誘導する
ポイントはご利用者の感情です。
認知症の方の特徴で、エピソードよりも感情が残りやすいので嫌な感情を抱かないように注意してください。
ウソをつく
私個人的には、1番してはいけない事です。
具体的には、お風呂と伝えずに誘導をすることやあいまいな表現で誘導することもお勧めしません。
最初のうちはうまくいくこともあるかもしれませんが、認知症の方は体験を記憶することよりも「感情」を記憶することが多いです。
だまされた、なんかうまいこと入浴させられた、などの感情はなんとなく残ります。
それが積み重なると大きなにつながり不信感となり、信頼関係を築くことが大変になる可能性もあります。
私たち自身もウソをつかれるのは嫌ですよね。
ウソをつくぐらいなら入浴できなくても仕方ない気持ちが大切です。
長い時間「説得」する
これもいけません。
あの手この手で入ってほしいのは理解できますが、ウソと同じで「感情」が残るリスクがあります。
お風呂と説得される嫌な時間が結びついてしまうと、お風呂が嫌いという感情が生まれてしまいます。
長くて2,3分にしておきましょう。長くなればなるほど入っていただける可能性は下がるでしょう。
ここは認知症の能力である「忘れる」ということを利用して、時間を置いて違ったアプローチで再挑戦を繰り返してください。
強引に誘導する
これも同じで、強引に入浴してもらおうとすると強い拒否が考えられます。
入ってもらわないと業務が終わらないことも理解できます。しかしここも「感情」を大切にしてください。
強引に服を脱がされる。車椅子をいいことに黙って風呂場に連れて行かれる。自分がされても嫌ですよね。
強引な誘導をすればするほど、次回以降の拒否が強くなることは確実です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
簡単にまとめると、自分がされて嫌なことは絶対にしない。
逆に自分がされたいことを進んでやってみましょう。
あとは「感情」を大切にしてください。
認知症の方は、本当に感情が残りやすいです。
拒否に対する嫌な感情ではなく、気持ちよかったなどのいい感情を残すことでいつか拒否のない入浴につながるでしょう。
あなたとご利用者がお互いに気持ちのいい入浴ができることを願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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