こんにちは、すきマッチです。
介護施設の必須研修の1つである【緊急時もしくは事故の対応に関する研修】を公開します。
今回は、通所介護(デイサービス)で起こる入浴事故についてです。
かなり具体的に作っていますので、そのまま事業所内研修の資料としてこのまま使っていただいても結構です。
このサイトでは介護施設の必須研修の資料を無料で公開しています。
もし興味のある方はこちらからご覧ください。毎年できていますか?介護施設の法定研修一覧【これで処遇改善加算の算定はOK】
それでは早速見ていきましょう。
入浴介助中の溺水事故
デイサービスは中小規模が圧倒的に多く、そしてほとんどのデイサービスは浴室が狭く、小さな一人用の浴槽です。
そして、介護1人に対して利用者さん1人という1対1のケアをしているところが多いです。
そうすると以下と同じような事例に遭遇することがあります。
88歳の男性で要介護3のAさん(軽度認知症で左半身麻痺)の入浴介助をしていた。
Aさんが浴槽に入った後、スタッフはAさんがバスタオルをお忘れなことに気づいた。
そこで脱衣室にあるデイ用のバスタオルを保管している場所をみても、そこにバスタオルがなかった。
先日、雨で乾かなかったので外に干したままであることに気づいた。
そこで「走って取りに行けば大丈夫だろう」と考え30秒ほど目を離した。
ところが、戻ってみるとAさんは浴槽内で溺れて手足をバタバタさせている。
スタッフはすぐにAさんを浴槽から引き上げ、大声でほかのスタッフを呼んだ。
Aさんは浴槽のお湯を飲んで意識が混濁しており、すぐに救急車で病院に搬送された。
幸い命に別状はなく、家族に謝罪した。
この事例では「バスタオルを取りにいくため」でしたが、ほかにも衣類や飲水料、カミソリなどを取りに一瞬利用者さんから目を離してしまうことってないでしょうか。
「入浴介助中は絶対利用者さんから目を離さな」」というルールがあっても、トラブルがあったら「少しぐらいは大丈夫」という心理が働くものです。
それではこのような事例の場合、どのように再発を防げるか考えてみましょう。
ルール違反の原因分柝と再発防止策
こういった事例の場合、管理者や施設長から「絶対に今後、利用者さんが浴槽に入っているときは目を離さないように」ということが周知されるはずです。
でもその周知は1年後、どれくらいのスタッフが覚えているでしょうか。
もちろん、ルールを遵守することは重要ですが、ルールの遵守だけを周知させても、このような事故はなくなりません。
こういった事故の再発防止を考える場合、「ルール違反の原因を分析し、原因除去の対策を講じる」ことが重要です。
簡単に言うと「なぜルール違反をしないといけない状況になったのか」、「それを防ぐにはどのような対策が必要か」を考えます。
人はルールがあることを分かっていても、「少しくらいなら大丈夫だろう」と自分勝手な都合でルールを軽視することがあります。
また「時間がない」「利用者さんのため」など、ルールに違反する大義名分があると、なおさらルール違反を起こしやすくなります。
よって、ルールに違反した原因を追究して、その原因が今後発生しないような手順や仕組みを考えることが重要です。
では、今回の事例からルール違反の原因を分析し、対策を考えていきます。
このスタッフは、なぜルールに違反して入浴介助中に利用者のそばを離れたのでしょうか?
ルール違反の直接の原因は「利用者さんが浴槽から出ようとしたとき直前で、バスタオルがないことに気づいた」ということです。
ここにはいろいろな問題が隠れています。
- 利用者さんが入浴する前に、持ち物をチェックする手順がない
- 朝の浴室を準備するときにデイ用のバスタオルが定位置にあることを確認していない、もしくはその手順がない
- 内線等で他のスタッフにヘルプを求めるシステムがない
もしこれらが徹底されていたなら、仮に一つぐらい抜け落ちていても、このような事故を防げたかもしれません。
このように分析するなら、再発防止策としては以下のような項目を挙げることができます。
- 利用者さん別に、持ち物チェックの一覧表を脱衣所の壁に貼っておき、誘導する前に確認する
- 朝の準備は2人で行い、準備物は整っているかダブルチェックをする。
- 浴室とフロアに内線をつけて、連絡をとりやすくする
このような再発防止策を考えて運営していきます。
そしてここからが重要です。
よくありがちなのが「良い感じだからこのまま運営しておこう」と放ったらかしにしておくことです。
それではスタッフの意識は薄れ、次第にルールや手順は守られなくなってしまいます。
大事なのは振り返ることです。
例えば再発防止策を運営しだしてから1か月程度後に、「これらを今後も継続していくか」、「もっと良い方法はないのか」、「違う問題などは発生していないか」などを皆で議論します。
いわゆるPDCAサイクルです。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していく手法のことです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
仮に良い案が出なくても、こういった場を設けることに意味があり、スタッフがルール順守に対する意識や事故防止に対する意識が向上します。
よって、再発防止策を実行した際は、必ず振り返る異様にしましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
まとめると、ルール違反による事故が起こった際は、以下の3点を考えることが重要です。
- なぜルール違反をしなければならなかったのか?
- その原因を防ぐ対策は何か?
そして、再発防止策を出し実行した後は振り返りの場を設け、スタッフの意識を向上させていくことが重要となります。
介護事業所の必須研修
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