こんにちは、すきマッチです。
今回はアセスメントについて書いていきます。
あなたはアセスメントしていますか?
介護職だから・・・
生活相談員の仕事でしょ・・・
そんなことないです。
アセスメントは全員が出来ることが理想です。
アセスメントについて、生活相談員歴10年を超える経験からポイントを5つに絞って書いていきます。
最初に、「介護アセスメントとは」を説明し、下記のポイントについて書いていく構成になります。
介護アセスメントについては、形式的なお話になりますので飛ばしていただいても大丈夫です。
ポイント
・アセスメントは何のために行うのか
・アセスメントで何を聞き出したいのか
・アセスメントはどのように行うのか
・アセスメントのポイント
・アセスメントの注意点
すべての福祉職の方に読んでいただけたら嬉しいです。
生活相談員についての記事です。
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目次
介護アセスメントとは
介護の現場で、アセスメントといえば「課題の分析・把握」という意味で使われます。
「介護過程」の第一段階であり、最も重要なフェーズです。
難しく聞こえるかもしれませんが、重要なスキルなので数をこなしてモノにしましょう。
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アセスメントの情報の種類1
ご利用者の情報には、「基本情報に関する項目」と「課題分析に関する項目」があります。
基本情報に関する項目
1.基本情報…氏名や性別、住所、電話番号などご利用者の基本的な情報とご家族の基本情報
2.被保険者情報…ご利用者の介護保険の被保険者情報・生活保護の有無・身体障碍者手帳の有無など
3.認定情報…要介護度区分
4.生活状況…現在の生活状況や生活歴
5.障害高齢者の日常生活自立度
6.認知症高齢者の日常生活自立度
7.主訴…ご利用者やご家族の要望
8.現在利用中のサービス…介護保険内外のご利用しているサービス
課題の分析に関する項目
9.既往歴…ご利用者の健康状態について
10.ADL(日常生活動作)…起居動作や移動、食事、移動、移乗、更衣、排泄、入浴、整容動作の状態(生活の基本動作)
11.IADL(手段的日常生活動作)…外出や家事、服薬管理、金銭管理、電話の対応など(複雑な日常生活動作)
12.コミュニケーション能力…意思伝達能力など(視力や聴力含む)
13.認知能力…外部から得た情報を基に自分や周囲の状態を把握し、適切に行動するための脳の高度な機能。記憶や判断、思考、理解、計算など。
14.社会参加…社会参加の状況
15.排泄…排泄の状況
16.口腔…口腔内の状態
17.栄養…食事の摂取状況や水分量の把握
18.皮膚の状況…皮膚の清潔状況や褥瘡等の有無
19.BPSD…認知症によるBPSDの出現状況
20.介護力…本人以外の介護力の有無
21.居宅環境…見取り図や福祉用具の使用状況
22.その他…その他対応が必要と思われる情報
簡単に分類すると、
基本情報に関する項目は厚生労働省が定めるご利用者の基本的な情報です。
課題分析に関する項目は、事業所のサービスの提供に必要な情報です。
提供するサービスや事業所によって必要な情報は異なります。
課題分析に関する項目のアセスメントは正確性が求められ、アセスメントの質がサービスの質に直結します。
アセスメントの情報の種類2
アセスメントする内容は、客観的情報と主観的情報があります。
客観的情報とは、住所や家族構成、既往歴、家族関係、居宅状況などのこちらが客観的に把握できる「見える」情報です。
主観的情報とは、ご利用者の感じている痛みや不安、不調などの心身の情報や主訴などのご利用者の抱えている想いなどの「見えない」情報を言います。
主観的な情報のアセスメントはご利用者の思いをくみ取るために大切な役割を果たします。
聞き出すには何よりも信頼関係が必要になります。
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ご利用者の情報を主観的、客観的な視点に立って整理することが大切です。
そんなこんなでアセスメントした情報を基に、「統合と解釈」をおこなっていきます。それはまた次の機会に・・・
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参考に厚生労働省のアセスメントシート(フェイスシート)です。
アセスメントで大事なこと
ポイント ・アセスメントは何のために行うのか ・アセスメントで何を聞き出したいのか ・アセスメントはどのように行うのか ・アセスメントのポイント ・アセスメントの注意点
アセスメントはなんのために行うのか
最初にも言いましたが、アセスメントは課題の分析のために行います。
簡単な言い方をすると「何に困っているか、なぜ困っているか知る」ためです。
「何に困っているかを知る」には、ご利用者の心身状態や生活環境、既往歴や性格、その他利用中のサービスを把握した上で考えなければなりません。
さらに、ご利用者個人の背景を知ることで「なぜ困っているか」を詳しく知ることができます。
例えば、
お風呂に入れなくて困っている→浴室の環境が整っていない→福祉用具で解決
お風呂に入れなくて困っている→浴室がない→デイサービスでの入浴
という感じです。
ただお風呂に入れなく困っているという情報しかなければ、どのようなサービスを提供することが最適かどうかを判断できませんよね。
ご利用者から必要な情報を聞き出しながら、困っていることを見つけなければなりません。
情報は取捨選択が必要です。
少なすぎてもいけませんが、逆に多すぎても課題の絞り込みが大変になってしまいます。
アセスメントでなにを聞き出したいのか
アセスメントの最終目的は課題(ニーズ)を聞き出すことです。
しかし、「課題(困っていること)は何ですか?」とご利用者に聞いたところで、はっきりと答えられる人はほぼいません。
ですので、最初のアセスメントで基本項目と課題の分析の項目を一通り聞いてから、2回目以降に課題に関することを聞いていくことになります。
課題は、ご利用者が感じている場合もあれば、感じていない場合も多々あります。
だから、ご利用者の主観的視点と相談員の客観的視点が必要になります。
ご利用者に主観的に課題を見つけてもらうには、日常生活の情報や状態をアセスメント時にイメージしてもらう必要があります。
朝起きてから夜寝るまでの行動を、順を追って聞き取ることも有効です。
その時にご利用者の様子を相談員側も想像が出来るように、居宅訪問は行っておきましょう。
客観的な視点を課題として取り上げるには、まずその課題を認識してもらう必要があります。
ご利用者の多くは、傍から見たら明らかな課題でも、課題を「当たり前」として受け入れてしまっている場合も多々あります。
そのような場合には、「その課題を解決することで、○○な生活が実現する」ということを理解してもらいます。
見つけるポイントは、ご利用者の話の中から「引っかかったこと」や「矛盾点」を見つけることです。
例えば、さらっと「朝一トイレに行くの」といったご利用者が、車椅子移動であった場合、「どのようにトイレに行っているのかな?」と引っかかることが重要です。
的確なアセスメントを実施しようと思うと、何を聞き出すのかを明確にしておく必要があります。
何が課題であり、何が課題の達成を妨げているか。それを知るには何を聞かなければならないか、を考えておきます。
最初はとても難しく感じることですが、的確なアセスメントを行う上では重要なスキルになります。
課題が明確になると、課題をどう解決していきたいのか、希望をご利用者と一緒に確認します。
慣れてくれば、最初のアセスメント時に課題を見つけ、ご利用者の希望を聞き取れるようになります。
最初は無理せず、回数をこなして課題と解決策を明確にしていきます。
当然、相談員の引き出しの数や知識も重要になってきます。
アセスメントはどのように行うのか
アセスメントは1対1で行うことが多いです。
ご利用者が気負い過ぎないように、フランクに話しやすい環境を作ることが重要です。
アセスメントの対象は、ご利用者本人に限りません。
ご家族や周囲の協力者にも聞き取るべきことがあります。例えば、
ご利用者が認知症で、自分の状況を説明できない場合
ご利用者と家族のニーズがズレている場合
があります。
ご利用者が認知症の場合、若いころの情報やいま必要な情報を聞くために、関係者に話を聞く必要が出てくるでしょう。
ご利用者とご家族のニーズがズレている場合にも、双方の話を聞く必要が出てきます。
サービスの必要性であったり、実現したい生活にズレが生じることが多々あります。
通所介護でリハビリ等を提供していてよくあることが、「ご利用者のADLをどこまで上げるのか」という問題です。
転倒や骨折により、車いすでの生活をされているご利用者で、本人は「歩行」を家族は「車イス」の生活を希望する場合があります。
本人としては、歩けて生活できた方がいいのは当然です。
ご家族としては、再度の転倒・骨折の心配、認知症がある場合は、自分の状態の理解ができない事による事故を恐れて車いす生活を希望にする事例が良くあります。
「ご利用者の人生なのだから、ご利用者の思うように」と思いがちですが、周りの人たちの協力あってのご利用者の生活です。
このあたりのバランスをとることも相談員の大切な仕事です。
アセスメントのポイント
アセスメントのポイントは3つです。
・主体はご利用者
・課題を言語化する
・ご利用者の「こえ」を聞く
主体はご利用者
アセスメントは、ご利用者が主体です。
相談員がなんでもアドバイスをしたり、喋ってばかりではアセスメントとは言えません。
ご利用者と信頼関係を築き、主体となるご利用者の発言を引き出しましょう。
ただ、すごくお話の好きなご利用者の場合は引き出すとお話があふれてしまい終わりません。
話が逸れたり終わらない場合は、ご利用者に配慮しながら次に進めましょう。
時間を決めるのも有効です。おおよそ30分以内に終わることが理想です。
しかし、最初のアセスメントは1からの情報収集ですので、多少時間はかかります。
ご利用者の体力や集中力を見ながら配慮して実施しましょう。
課題を言語化する
ご利用者の課題や訴えを言語化することも生活相談員の仕事です。
上でも挙げた自覚のない課題や言葉で表すことが難しい訴えを言語化します。
言語化する理由は、他の専門職に正確に課題を伝えるためです。
適切なケアにつなげること、統一されたケアを統一するために、生活相談員が話をして掴んだ「感覚」を言葉として他の専門職に伝える必要があります。
言語化するポイントは、根拠「理由」を示す。ということです。
「なんとなく」や「経験的に」というのではなく、「○○だから△△だ」と言えるようにします。
課題によっては言い切れないこともあります。
その場合は「仮説」を立てますが、仮説を立てる場合も理由を示します。
そして、仮設の場合は「検証」をして仮説を確かめることが必要です。
検証をするときにも理由は役に立ちます。
仮説と検証というと何か大変そうに聞こえますが、
ご利用者がしんどそうにしている→風呂上がりでのぼせたかな?聞いてみよう→聞く
という流れが仮説と検証です。
ここをなんとなくしんどそうだ、と感じ「しんどそうですが、どうかしましたか?」と聞くのもいいですが、簡単な事例から仮説をたてる癖をつけておくと成長が早くなります。
ご利用者から足が痛い、と訴えがあった場合PTになんと伝えていますか?
足が痛い理由を自分なりに探って聞いて伝えることができれば、PTのアセスメントの手間も省けます。
さらにPTからのフィードバックも足が痛い理由という前提を知った上での話になり会話も早いでしょう。
アセスメント中にも疑問や仮説があったときは検証してみてください。
ご利用者の「こえ」を聞く
ご利用者には潜在的な課題(悩み事)が必ずあります。
私たちが人に悩みを相談する時も、探りを入れたりしますよね。
大親友と言えるような相手に相談する場合はそうでもないかもしれませんが、あなたとご利用者は大親友といえる間柄でしょうか?
ほとんどの場合そこまでの信頼関係は築けていないでしょう。
ご利用者も同じで、最初に出てくる課題は無理やり絞り出した課題や、世間体を気にした課題になっていることがありえます。
ご利用者の心理として、「人に迷惑を掛けたくない」「実は家族と上手く行ってなくて…」「他人に下の世話をされたくない」のように、本当は困っていても言い出せない悩みはあるものです。
これらの多くは、課題としての優先順位がそこまで高くない場合もありますが、根本的な問題として側面があります。
このような課題が解決されると他の課題も解決するようなイメージです。
その「こえ」を聞き取り、解決に向けて一緒に進んでいけることが求められます。
アセスメントの注意点
アセスメントに限らず、記録全般に言えることですが「事実」を書くということです。
ご利用者がなにかを話した時は話したままの言葉で書くことが必要です。
客観的な事実を書いていくことが大切です。
してはいけないのは、仮説のままにしておく、スタッフ同士で話したことを検証せずに書く。といった事実ではないことを記録として残すことです。
残す場合は、仮説であること、未検証であることを必ず書いておきましょう。
また、ご利用者の言動から主観を入れないように気を付ける。
人参を食べない≒ニンジンが嫌い
Aさんと話さない≒Aさんが嫌い
車の話をよくしている≒車が好き
アセスメントはご利用者本人だけでなく、必ず多方面に行いましょう。
身近なところで言えば、家族やキーパーソンと言われる人です。
ご利用者本人よりも本人を知っている場合もあるでしょう。
アセスメントしたご利用者の情報は、「ご利用者の人生そのもの」と思ってください。大変重たいものです。
同僚や他職種との連携のために情報を共有する必要がありますが、すべてを共有してはいけません。
あなただから話したこともたくさんあるでしょう。
基準は「ご利用者の利益・不利益になるか」です。
共有することでご利用者の利益になることは共有すべきですし、
共有すると不利益なことは共有すべきではありません。
たとえば、ご利用者KさんやOさんの宗教を共有すべきか迷った場合。
基本的には宗教は共有すべき内容ではありません。が、宗教での習慣があったり、周りの方に布教活動・選挙活動をする場合は共有が必要です。
共有すべきか迷ったらご利用者・管理職に聞くのもいいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
アセスメントについて、私が普段意識していることや考えていることを記事にしてみました。
アセスメント自体にとくにやり方や決まりはありません。
色々な人のアセスメントの方法を参考に自分の「キャラ」にあった方法を見つけるのがベストでしょう。
ただ目的もなくアセスメントするのはあまり有効とは言えません。
どうせやるならご利用者のケアにつながる情報や根拠を一つでも見つけられるようにしてみましょう。
最期まで読んでいただきありがとうございました。
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